カナーニー首相は2日、戦争犯罪検察官を務めたルイーズ・アーバー元最高裁判事をカナダの新任総督に任命したと発表した。アーバー氏は国連人権委員長を務め、ルワンダや旧ユーゴスラビアで戦争犯罪を追及した人物で、イギリス国王チャールズ3世の代表としてカナダを象徴する役割を担う。

国際司法での経験

カーニー首相はオタワで任命を発表するにあたり、「アーバー氏は、安全保障や繁栄、正義の砦であるカナダの象徴として、世界中の人々にその良さを示す存在となるだろう。挑戦に直面しても正義を貫く姿勢が備わっている」と語った。

アーバー氏は79歳で就任し、これまでにカナダで設置されるほぼすべての司法職を歴任している。また、ルワンダと旧ユーゴスラビアで戦争犯罪を追及した国際的な裁判所の責任者も務めた。

国際的な称賛と法的貢献

国連人権高等弁務官や国際移民政策の制定にも貢献し、国際的な称賛を浴びた。アーバー氏は、ルワンダと旧ユーゴスラビアでの戦争犯罪を追及する国際的な刑事裁判所の長を務め、セルビアのスロボダン・ミロシェヴィッチ大統領の起訴に至った。

カーニー首相はアーバー氏を、「制度の重要性を象徴する人物」と称賛した。「制度は市民社会の支柱であり、誰かがその信頼性を問うことでこそ持続できる」と語った。

新任の役割と過去の経験

総督の役割は儀礼的および憲法的な責任を兼ね備え、5年間の任期中にはカナダ軍の司令官としても務める。2021年にはカナダ軍の独立調査を担当し、性的暴行や制度的文化改革を推進するよう提言した。

カーニー首相は「アーバー氏の功績は、果たした職や受賞した賞ではなく、奉仕を通じて変えてきた人生にある」と語った。現職のマリー・シモン氏は任期内に先住民との和解や環境問題に注力し、国王やローマ教皇フランシスコの来訪も担当した。

シモン氏は母語がインクティトゥト語で、フランス語に不慣れだったため、英語とフランス語を流暢に話せる人物の必要性が高まった。

アーバー氏は就任を「深い義務感を持って受け入れた」と述べ、「この国の力は、知恵で運営され、国と地球の繁栄を願う制度にある」と語った。