マリ軍は10日、首都バマコと国内の複数地域で、複数の武装勢力による同時攻撃が発生したと明らかにした。軍は、攻撃は「テロ組織」によるもので、軍営が狙われたと述べた。

軍基地近くで銃撃・爆発

同日午前6時(協定世界時)ごろ、バマコ近郊の主要軍基地カティで2度の爆発音と継続的な銃撃が聞かれた。カティは、軍事政権の指導者アシミ・ゴイタ将軍の拠点である。同時間帯、中央部のセバレ、キダル、北部のガオでも同様の混乱が起きた。

目撃者によると「いたるところに銃声が鳴っている」という。バマコ在住のアソシエイテッド・プレス(AP)の記者は、市内中心部から約15km(9マイル)離れたモディボ・ケイタ国際空港の近くで重機関銃や自動小銃の銃撃が確認されたと報告。近隣地区ではヘリコプターがパトロールしていた。

空前の規模・連携

アル・ジャジーラのニコラ・アカック記者は、マリを長期間取材した経験から、今回の攻撃の規模と連携性は「前代未聞」だと指摘。軍関係者によると、今回の同時攻撃に関与した戦闘員は軍営を狙っている。アカック氏は、軍内部には「前例のないレベルの動揺」があると述べた。

マリは金や他の鉱物資源が豊富だが、10年以上にわたる武装勢力による混乱に直面している。アルカイダとISIL(イスラム国)の西アフリカ支部による攻撃を受けているほか、北部ではタレグ族が主導する反乱運動が長く続く。

2020年と2021年の2度の軍事クーデター後、バマコはかつての植民地支配者であるフランスと関係を断ち、フランス軍と国連平和維持活動(PKO)部隊を追放した。昨年7月にはクーデター指導者ゴイタ氏が5年間の大統領職を任命され、選挙なしで「必要に応じて何回でも」再任されることが可能になった。

地域同盟と軍事支援

それ以前の1か月、2021年以来マリ軍を支援していたロシアのワーグナー集団は、任務を完了すると発表していた。現在、ロシア国防省の直接管理下に置かれた「アフリカ軍団」となっている。

ロシアの傭兵団によって支持される軍事政権を築くブルキナファソとニジェールとともに、マリは2023年に「サヘル諸国同盟(AES)」を結成した。3か国は、サヘル地域の武装勢力を排除するための合同軍団を設置している。