パキスタンの最高裁判所は20日、健康状態の悪化を理由に、イムラン・カーン元首相を病院に移送するよう命じた。BBCが伝えた。3人の判事からなるパネルは、48時間以内にカーン氏を首都イスラマバードのシファ国際病院に移送し、医師による検査を受けるよう指示した。また、週に1度家族との面会や、息子たちとの電話を許可するとも述べた。カーン氏は2023年以来、汚職の罪で服役しており、これらは政治的動機に基づくものだと主張している。パキスタン政府は裁判所の決定について公にコメントしていない。
健康への懸念
判事らは20日の命令で、「囚人の生命、健康、尊厳、安全を守るという憲法的および法的義務を認識している」と述べた。73歳のカーン氏の弁護士は、視力低下を含むさまざまな健康上の問題に苦しんでおり、専門医の治療を受けられない状況だと指摘している。2月には、囚人当局が対応しなかったため、カーン氏の右目の視力は15%にまで低下したと弁護士が述べており、政府はこれを否定している。AFP通信によると、カーン氏の顧問であるズルフィカル・ブハリ氏は「もっと早くに移送されていれば、彼の目と全体的な健康状態がこれほど悪化しなかったのに」と述べた。
政治的背景
裁判所の命令では、カーン氏の治療に眼科医が参加することを明らかにした。カーン氏の政治団体・インサフ運動(Tehreek-e-Insaf)の支持者らが病院の外に集結しないよう、判事らと同団体は呼びかけている。これは裁判所の命令に違反する行為だからである。カーン氏はかつてパキスタン代表野球チームのキャプテンを務め、2018年から2022年にかけて首相を務めた。2023年8月に服役し、国家機密の漏洩や国賓贈り物の販売など、100件以上の訴追を受けており、これらはすべて政治的動機に基づくものだと非難している。昨年末にはカーン氏と妻のブシュラ・ビビ夫人がそれぞれ17年の懲役を宣告されたが、カーン氏の逮捕は大規模な支持者による抗議を引き起こし、当局は治安対策を展開した。
政治的影響
カーン氏は服役中でも多くの支持者を持つなど、パキスタン政治において依然として重要な存在であり続けている。最高裁判所の決定は、元指導者の健康状態に対する懸念を浮き彫りにするとともに、国内の政治的緊張を反映している。この決定は、国家が拘束中の個人の福祉を確保するための法的責任についても示している。今後、政府の対応やカーン氏の支持者の反応が注目される。
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