ドナルド・トランプ米大統領の政権は、11月の中間選挙に先立って郵送投票に関する広範な制限を導入するよう連邦最高裁判所に求めた。司法省は今月、連邦最高裁判所に緊急の出願を提出し、下級裁判所がトランプ氏の3月の大統領令を一部停止した決定を一時的に停止するよう求めた。

大統領令と法的争訟

大統領令は、連邦機関に州ごとの有権者リストの作成を指示し、米郵便公社(USPS)にそのリストに載っている人にのみ郵送投票用紙を送付するよう求めた。また、司法省には、不適格な有権者に投票用紙を配布したとされる選挙担当者に対する調査を優先処理するよう命じた。

2023年6月、連邦地方裁判所のインディラ・タルワーニ判事は、トランプ氏が州が連邦選挙を運営する方法を一方的に変更する権限を持たないとして、この大統領令を停止した。連邦憲法では、有権者の資格要件は州が管理すると判事は指摘した。

週末、第1巡回連邦控訴裁判所はこの停止決定の一時停止を却下し、政権は連邦最高裁判所に問題を提起することになった。

連邦最高裁判所での主張

連邦最高裁判所への出願書では、政権はこの大統領令は「一般的な政策指針」であり、州が選挙を運営する方法を指示する命令ではないと主張した。

一般検事のジョン・ゾーヤー氏は「下級裁判所は、関係機関が大統領令の実施方法(あるいは実施しない場合)についてまだ検討しているにもかかわらず、あらかじめその措置が違法であると決めてしまったため、この差し止め命令は特に正当性がない」と書いた。

ゾーヤー氏は、新政策が11月の中間選挙で効力を発揮するには8月までに導入される必要があるため、連邦最高裁判所が速やかに対応するよう求めた。

不正行為の主張と政治的影響

トランプ氏は長年にわたって、根拠なく2020年の大統領選挙で広範な不正行為があったと主張し、郵送投票の安全性を繰り返し疑問視している。しかし、研究ではこうした不正行為が稀であることが示されている。

トランプ氏は、中間選挙前に郵送投票の広範な利用を終わらせると約束した。この選挙は、米下院と上院のどちらの政党が支配権を握るかを決定する。

投票権擁護団体は、郵送投票の制限は民主党支持者に不利益を及ぼす可能性があると指摘している。歴史的に見れば、民主党支持者の方が共和党支持者よりも郵送投票を選ぶ傾向がある。