米労働統計局(BLS)は、月次雇用統計の計算方法を改訂し、新規企業の設立と廃業の推移を反映した新たな「出生・死亡モデル」を導入した。この変更は2025年1月から適用され、初期の雇用統計の精度を高め、将来的な大幅な修正を抑えることを目的としている。

出生・死亡モデルの仕組み

出生・死亡モデルは、月次雇用統計の重要な要素であり、企業の新規設立による雇用創出と廃業による雇用喪失を、公式な記録が公表される前に推定するための手法である。このモデルにより、BLSは直接の測定がまだ得られない状況でも、迅速なデータ発表が可能になる。

米KPMGの首席エコノミストでDiane Swonk氏は、「迅速なデータ発表のため、新規企業の設立(出生)と実際の廃業(死亡)のペースについて仮定を置く必要がある」と説明している。

改訂後のモデルでは、近年の実際のトレンドを反映し、新規企業の設立率は低く、廃業率は高いと仮定している。この変更により、初期の雇用統計の精度が向上し、将来的な修正の規模も小さくなると予想されている。

データの正確性と修正への影響

BLSの上級エコノミストJohn Stewart氏は、今回の更新により「月次の変化に関する推定値の誤差は低下し、年次の修正幅も小さくなる」と述べている。

一方で、データ専門家はモデルが改善されたとしても、統計的な推定値であることに変わりはないと指摘している。Data 4 the Peopleの創設者Eric Pachman氏は、「これはモデルであり、非農業部門の雇用統計もモデルである。すべてのモデルには誤差がある」と述べている。

これらの制限を踏まえても、改訂後のモデルは月次の雇用統計の解釈に安定した基準を提供するものと期待されている。Swonk氏は、「できるだけ正確かつ迅速にデータを提供することが目標だが、世界情勢が急激に変化するような状況では、データや修正に混乱を招くことがある」と語っている。

今後の雇用統計と予測

2月の雇用統計は今週金曜日に発表され、1月の雇用統計では米国が13万件の雇用を増加させた。ブルームバーグの調査によると、エコノミストたちは2月の雇用増加数は約6万件と予測している。

BLSは過去にも雇用統計の大幅な修正を行っており、2023年には91万1000件の過大計上を修正した。これらの修正は、データの正確性と迅速な発表のバランスを取る上での継続的な課題を示している。

新しい計算式はすべての誤りを排除するわけではないが、より信頼性の高い月次雇用統計の実現に向けた一歩である。経済が進化し続ける中、この改訂モデルは政策立案者や投資家、一般市民から注目を集めると予想されている。