カナダのドグ・フォード首相は、トランプ米大統領が「ローク・アメリカ」に名称変更を命じたローク・オンタリオに対して、カナダ側の湖畔に設置された24フィート×12フィート(7.3メートル×3.6メートル)の看板で対抗した。看板には「ローク・オンタリオ。今も永遠に」と記され、フォード氏はオンタリオ州グリムズビー近郊で看板を公開した。カナダの指導者たちは怒りではなく笑いを返した。

トランプ氏の名称変更と関税問題

トランプ大統領は10月1日、米連邦政府機関がローク・オンタリオを「ローク・アメリカ」と呼ぶよう指示する大統領令に署名した。オバマハウスで発表された際、トランプ氏の背後には赤字で「ローク・アメリカ」と書かれた五大湖の地図が掲げられていた。また、「五大湖をさらに大きくする」(MAKING THE GREAT LAKES EVEN GREATER)という文字も掲げられていた。

トランプ氏は昨年からカナダとの関係を緊張させている。カナダが米国の51州になることを提案したり、カナダ製品200億ドル相当に50%の関税を課したりしている。これに対しカナダは、鋼材や乳製品、家電、農業機械など200億ドル相当の米国製品に報復関税を課した。

カナダの笑いと抵抗

フォード氏はチームカナダのサッカー・ユニフォームを着て看板の前で写真を撮り、SNSに動画を投稿した。動画の中でフォード氏は、「トランプ大統領がいなくなってもローク・オンタリオの名前は変わらない」と述べ、トランプ氏の名称変更を拒否する姿勢を示した。

カナダの指導者たちは怒りではなく笑いを返したが、マニトバ州のワブ・キネウ首相はトランプ氏の行動を老いたロックバンドが古曲を再演するものに例えた。「ロックバンドが本当に古くなったとき、カジノで50年前の曲を演奏するのを見るとわかる。トランプ大統領の政権もその段階に来ている」とキネウ氏は語った。

マーカー・カーニー首相もトランプ氏の行動を軽蔑した。カーニー氏は、「ローク・オンタリオ」という名称はカナダ連邦成立および米国建国以前から存在しており、湖の先住民のルーツと歴史的意義を強調した。

トランプ氏の根拠と実施スケジュール

トランプ大統領は大統領令に署名した際、「すべての必要な関係者に通知した」と述べ、「この変更は即時、公式に有効となる」と宣言した。大統領令では、国土省を通じて米国地理名称サービスで30日以内に名称変更を実施するよう求めている。

しかしトランプ氏はカナダが名称変更を採用するよう強制することはできない。米政府の行動は象徴的で、国内でのみ有効であり、カナダ当局は国境の向こう側では「ローク・オンタリオ」の名称が変わらないことを明確にしている。