バーミューダのデイビッド・バート首相は、サンフランシスコで開催された「ニアコン(NearCon)」技術会議に出席し、人工知能(AI)を政府運営や金融規制に統合する戦略を明らかにした。会議はニア財団(NEAR Foundation)が主催し、デジタル金融やAI分野の世界的リーダーが集まり、ガバナンスや経済革新の未来を模索した。

AIチャットボットによる年金計算のパイロットプロジェクト開始

今回の訪問で最も注目された発表は、バーミューダ政府とニア財団との共同プロジェクトの開始である。この取り組みでは、AIチャットボットを開発し、政府職員が年金支給額をより効率的に計算できるようにする。このツールは、迅速かつ正確な回答を提供し、公共サービスの全体的な効率向上を目指す。

このパイロットが成功すれば、オンラインの税金計算ポータルや計算ツールの拡充にもつながる。これは、バーミューダがテクノロジーを活用して金融・行政インフラを現代化する取り組みの一環である。

金融サービスにおけるAI利用の法的明確化を検討

バート首相は、政府が金融サービスにおけるAIエージェントの利用に関する法的明確化を検討する方針を発表した。このため、政府は関係者や法律界の専門家と協議するための作業部会を設置した。

バーミューダ中央銀行(BMA)は、規制実験場(Regulatory Sandboxes)やイノベーションハブを通じて、AI関連プロジェクトの受け入れを継続している。BMAは2025年7月に発表した議論資料をもとに、業界リーダーとAIの責任ある利用について議論を進めている。同機関は、規制の見直しが実用的で、リスクベースかつ、余分な重複や規制負担を避けるものとなることを目指している。

ベンチャーキャピタルとデジタル金融企業との協議

サンフランシスコでの訪問中、バート首相は、主要ベンチャーキャピタルのパートナーと会い、デジタル資産、人工知能、量子コンピューティング、宇宙、その他の新技術のトレンドについて議論した。これらの会議は、バーミューダが「オンチェーン経済」のイニシアチブをさらに発展させる機会を探るためのものである。

バート首相は、デジタル金融企業との追加会議にも出席し、バーミューダの金融現代化の取り組みをさらに推進した。同氏は財務省から2人のデジタル金融アドバイザーを同行させ、政府がこの分野に強い関心を持っていることを強調した。

首相は、「イノベーションとAIの次の規制フロンティアにおける『バーミューダ・トライアングル』アプローチ」と題されたサイドセッションにも参加した。このセッションで、バート首相は、政府、業界、BMAの協力によって、バーミューダがデジタル資産の規制を最初に導入した国となったことを強調した。

バート首相は、今後もAIの規制においても同様のリーダーシップを取る方針を示した。島のビジョンを広く発信するため、同氏は『The Rollup』というポッドキャストのエピソードを録音し、責任あるイノベーションの戦略についての洞察を共有した。

ニアコンへの参加は、バーミューダが世界の技術トレンドに先んじながら、革新が市民に直接的利益をもたらすことを確かなものにした。実用的な政府パイロットと明確な規制の組み合わせにより、バーミューダは、新技術を責任を持って受け入れる先進的な法域としての地位を確立し続けている。

政府のスポークスパーソンは、「首相のニアコン出席は、バーミューダがデジタル金融とAI規制の未来を形作る積極的な姿勢を示した。これらの取り組みは、テクノロジーの進展がバーミューダの人々の公共サービスと経済機会を高めることを目的とした、より広範な戦略の一環である。」と述べた。