ハバナ — 国営紙『インヴァソル』によると、キューバ北部で反政府デモが発生し、共産党の事務所が襲撃された。これは停電の悪化と米国の経済制裁に対する不満が背景にあるという。
停電と経済的負担による緊張の高まり
デモは、観光地カヨ・ココに近い沿岸都市モロンで発生した。当初は平和な集会だったが、破壊行為や火災の報告が出て、状況が悪化した。ソーシャルメディアに投稿された動画では、建物の窓に石を投げながら「自由(リベルタド)」と叫ぶ声が聞こえる。Reutersは動画の真偽を確認できなかったが、キューバ市民の不満が高まっていることを示している。
米国は今年、キューバへの経済的圧力を強化しており、特に1月にベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領が拘束された後、経済制裁を強化した。マドゥロはキューバにとって重要な外資供給者であり、米国から制裁を受け、石油供給が断たれた。ドナルド・トランプ米大統領は、キューバと貿易を行う国に関税を課すと脅した。
キューバ政府は、基本的な物資やサービスの不足に直面していると認めた。状況の悪化に伴い、政府は米国との交渉を開始し、状況を落ち着かせようとしている。ただし、米国は交渉の内容を確認していない。
暴力的なデモ、政治的緊張を浮き彫りに
キューバでは特に暴力的なデモは極めて珍しい。2019年の憲法では市民が集会を行使できる権利が保障されているが、その権利を定義する法律は議会で停滞しており、デモ参加者は法的な灰色の領域に置かれている。
『インヴァソル』によると、当初は平和な集会だったが、モロンの市庁舎の共産党支部の本部を攻撃した。一部の参加者は建物の入口に石を投げ、受付の家具を使って道を焼いた。また、薬局や政府の市場など、他の公的機関も標的になった。
確認されていない動画では銃声が聞こえ、カメラが地面に倒れている人物に向けられる。国営メディア『バンガリア・デ・キューバ』は、警察がその人物を撃ったというオンラインの報道を否定し、「動画はデモの現場を示しているが、公衆に知らせる必要があるのは、銃撃で誰も負傷していないということだ。メディア操作は、国民に恐怖と混乱を煽ろうとしている。そのような挑発に乗り込まれてはならない」と述べた。
警察は5人のデモ参加者を逮捕した。1人は酔っぱらっていたとされ、地元の病院で治療を受けている。この出来事は、公共の不満に対して通常は厳しい制限を課すキューバで、さらなる不穏を懸念させる。
広範な抗議と経済危機の背景
モロンでの抗議は、キューバ全体に広がる不満の一環である。ハバナでは最近、いくつかの住民が停電への抗議として鍋を叩くデモを行った。ハバナ大学の学生たちは、政府が米国の石油制裁を理由に、対面授業を中止したため、大学の階段で座り込み抗議を行った。
燃料不足は公共交通機関に深刻な影響を与え、教師や学生が授業に出席することが極めて困難、あるいは不可能になっている。政府が基本的なサービスを提供できていないため、多くのキューバ人が孤立感や不満を感じている。
モロンには大きな抗議の歴史がある。2021年7月、この都市では大規模な反政府暴動が発生し、フィデル・カストロの1959年の革命以来最大の規模となった。現在の不満は、長年公共の不満を厳しく制限してきたキューバにとって、新たな政治的緊張の兆しと捉えられている。
米国が制裁や経済的圧力を継続する中、キューバ政府は安定を維持するための課題に直面している。専門家は、米国が立場を軟化させなかったり、キューバの経済がさらに悪化すれば、状況はさらに悪化する可能性があると指摘している。政府は、不満の根本原因に対処する具体的な計画をまだ発表していないため、多くのキューバ人が不安に思っている。
停電と経済的負担が続く中、キューバの状況は依然として危うい。政府が最近の抗議への対応は、今後数カ月のキューバの政治的展開に大きな影響を与えるだろう。米国とキューバの間の複雑な関係を乗り越えるために、両国は今後も交渉を続けるだろう。
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