木曜日と金曜日の夜にかけて、数千人が海や陸路を通じてモロッコから北アフリカのスペイン自治区セウタへと押し寄せた。ニュースエージェンシーの報道によると、匿名の警察関係者や当局者の情報によれば、24時間以内に4万人以上が入国した可能性がある。

スペイン政府、対応に動く

スペイン首相ペドロ・サンチェス氏は、状況への対応としてすべての可能な資源を動員していると述べた。サンチェス氏は金曜日に内務大臣フェルナンド・グランデ=マルラスカ氏とともにセウタを訪問する予定。

サンチェス氏は、越境行為はスペインの領土主権に対する「侵害」だと述べ、金曜日に発言。「当局は今週入国した移民の帰還を迅速化している」と語った。また、モロッコに対しても対応を強化するよう求めた。

セウタで人道危機

セウタで地元の警備隊を代表する労働組合を率いるラヒド・スビヒ氏は、状況を「深刻な人道危機」と呼び、数千人の移民、その中には家族を伴わない子どもたちも含まれており、歩道で眠っている一方、他は無目的に街を歩き回っていると語った。

「人々はまだ越境を続けている。到着した補強部隊は負傷者を助けるなど人道的支援に限られている。状況は混乱している。」と、スビヒ氏はアソシエイテッド・プレス通信に語った。

スビヒ氏によると、19人の死者の多くは溺れたが、一部はタラハルのビーチで発生した押し合いへし合いの際に死亡した。タラハルのビーチはモロッコとの国境検問所に近い都市ビーチ。

セウタの出入り口では、モロッコ当局が水砲車を展開し、人々を押し返していた。近くには、群衆との衝突で焼け焦げたバスと7台の車が見られた。

国際的な反応と対応の呼びかけ

木曜日の動画には、主にモロッコ人で構成された大勢の人が防波堤を歩き、地元の道路へと進む様子が映っていた。多くは若い男性だったが、女性や小さな子どもを伴った家族もいた。

セウタと、もう一つの北アフリカの自治都市メリーラは、ヨーロッパ連合(EU)がアフリカと接する唯一の陸上国境を形成している。両都市は、ヨーロッパへ移住を求める人々による越境の急増が頻繁に発生する。

セウタに到達するため、移民は多くの場合モロッコの町フニデクから泳いで移動し、約5km(3マイル)の距離を泳いでスペイン領土に到達する。他には、距離が短い隣町ベリューネシュからの越境も試みられる。

「危険な越境を止める必要がある」

セウタ当局は、越境の急増を、今月初旬に発表されたスペイン最高裁判所の判決に起因するとしている。この判決は、海から到着した移民を直ちに本国送還することを禁じたが、陸上からの入国、例えば国境のフェンスを乗り越えて入国した移民には適用されない。

サンチェス氏は金曜日に、移民の流入はマフィアが判決を歪めて広めた情報によって引き起こされたと語った。「モロッコ当局との協議で判明したのは、密輸マフィアが最高裁判所の判決を都合よく解釈したということだ」と述べ、「その解釈は最近数時間のうちに広がった」と語った。

しかし、モロッコの活動家の中には、判決が流入の原因であることを疑問視する人もおり、多くの移民がそうした法的決定に気づいていないと主張する。

EU委員長のウルスラ・フォン・デア・ライエン氏は金曜日に、セウタでの映像を「受け入れがたい」と述べた。

「EUのルールに従っていない者を誰も迎え入れることはできない。危険な越境行為は即刻停止しなければならない。密輸ネットワークは解体されなければならない。そして、移民の帰還は、EUのルールに従って迅速に行われなければならない。」とフォン・デア・ライエン氏はソーシャルメディアで述べた。

ドイツ首相のフリードリヒ・メルツ氏は、スペインがヨーロッパ本土への不法移民の流入を防ぐ意向を歓迎したと述べ、ドイツ政府がスペイン政府と連絡を取り合っていると語った。

フランスでは、フランス大統領エマニュエル・マクロン氏の周囲が、パリが必要に応じてフロントエグゼ(欧州の国境・沿岸警備機関)を通じてスペインとモロッコ当局に支援を提供する準備ができていると述べた。

以前、フランス内務大臣のローラン・ヌネス氏は、最近の出来事を受け、フランスがスペインとの国境を強化すると発言した。

木曜日夜、ヌネス氏はXで「直ちにスペイン国境の検査を強化するよう指示した」と述べ、深く掘り下げた検査のために緊急対応の国境警備部隊を動員することも発表した。

国境危機は、もう一つの移民の主要目的地であるイタリアにも影響を及ぼしている。首相のジョルジア・メローニ氏は、スペインとの国境を守り、市民の安全を確保するため、イタリアのシェンゲン協定(国境を開く協定)を一時停止する可能性があると脅した。イタリアはスペインと国境を接していない。

セウタ地方政府の長官であるフアン・ヒエスス・ビバス氏は、国家安全保障の観点から国家政府に緊急事態を宣言するよう要請し、さらに警察を増強し、軍を国境に展開するよう求めた。

スペイン内務省は、緊急事態の宣言は移民危機には適用されないとして、要請を断ったが、追加の資源を提供するとの約束をした。