ドナルド・トランプ米大統領は、ロシアの経済を狙い撃ちする形で、主要な原油・ガス購入国に関税を課す包括的な制裁法案に署名した。BBCによると、この法案は今週早々に下院で可決され、ロシアの原油・ガスを最も多く購入する上位5か国、特に中国とインドに最大100%の関税を科す権限を与える。法案の正式名称は「リンゼイ・O・グラハムによるロシアとイラン制裁法案(2026年)」で、トランプの要請に応じてイランのエネルギー部門や兵器部門への対応も盛り込まれている。
拡大された制裁と例外措置
48ページにわたるこの法案には、ロシアから天然ガスの輸入量が15%未満の国や、依存度の削減に取り組む国を免除する規定が含まれている。また、ロシア大統領のウラジミール・プーチン氏や高官、銀行、金融機関への制裁が科せられ、ロシアのいわゆる「影の船団」による既存制裁の回避行為もターゲットになる。この法案は、ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領が「極めて重要」と評価するなど、支持を得ている。
グラハム氏の遺産と国際的影響
この法案は、ロシアに対する強化された制裁を2022年のウクライナ侵攻後に主張した、死去したリンゼイ・グラハム上院議員の名前にちなむ。ニューヨーク州のリチャード・ブレメンテール上院議員は、この法案を「焼き尽きるような制裁」だと評価し、「プーチンの戦争機械を停止させるだろう」と述べた。トルコと欧州連合(EU)は同じ期間にロシアのエネルギー輸出の5%ずつを占めていたが、EUの輸入量は減少傾向にある。グラハム氏は長年にわたってトランプ政権に対し、ロシアに対する強硬な対応を求めてきた。
海外援助の一時停止と記念硬貨の発行
別件として、トランプ政権が米国の海外援助の一時停止を決定したことで、シリアなどでの状況が不安定化している。シリア北部のクルディスタン自治政府は、イスラム国(IS)の元メンバーを収容するキャンプや刑務所の運営に苦慮している。アッ=ホルというキャンプには約4万人の元IS家族が収容されており、援助の一時停止によって混乱が生じている。キャンプの管理者は、米国から70%の資金を提供されているNGOが通常通り運営できなくなっていると指摘した。
一方で、米国造幣局は、米国建国250周年を記念して、トランプ氏の肖像をデザインした1ドル硬貨の発行を進めている。財務長官のスコット・ベッセント氏が発表したこの硬貨には、「自由(LIBERTY)」「神に信頼(IN GOD WE TRUST)」、および「1776-2026」という言葉が刻まれている。この硬貨の発行は、2020年に制定された「流通用コレクター硬貨再デザイン法案」に基づき、財務長官が2026年1月1日から始まる建国250周年記念期間中に記念硬貨を発行できるようにするものである。
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