国境管理が崩壊 移民が海峡を渡る
セウタの地元当局は、最近の不法入国が増加しているとしてマドリードに支援を要請していたが、14日には国境管理が崩壊したとの報道が出ていた。スペインの最高裁判所は今月、セウタやメリッラに向かう途中で海上で止められた移民を即座にモロッコに返還できないと判断した。
スペイン内務省は、人道的犯罪組織がこの判決を利用して「不法移民の流れを後押ししている」と非難した。「軍隊は、セウタの治安維持のために国境警備隊の権限を補強し、必要であれば他の措置を取る」と内務省は述べた。
イタリア、『異例の措置』を検討
セウタはモロッコ北部沿岸に位置し、ギブリャルタル海峡の向こう側にスペイン本土がある。長年、ヨーロッパを目指す移民の集結点となっている。今回の不法入国によってイタリア政府は、スペインとの国境を開けたシェンゲン協定を停止する「異例の措置」を検討していると表明した。
スペインの自治区セウタへの不法入国は数日間増加しており、14日には数千人がコンクリート製の護岸を滑り降りて海に飛び込み、国境を示す桟橋を泳いで迂回した。スペイン側では、ビーチがゴム製のリングやフィンで埋め尽くされた。移民の中には喜びを表す者もいたが、10人以上が溺れた。
モロッコから不法入国が急増した背景や、モロッコ当局がどの程度これを阻止しようとしたかはまだ明らかにされていない。あるスペイン当局者は、国境が完全に崩壊していると述べた。スペイン首相のペドロ・サエンス氏は15日にセウタを訪問し、状況を速やかに正常化すると約束した。
移民流入とシェンゲン協定で緊張高まる
移民を受け入れるための施設が満杯になり、地元当局はマドリードが対応が遅れていると批判した。セウタのリーダー、フアン・ジュセ・ビバス氏は、流入が資源を圧迫していると述べ、スペイン政府に介入を求める声明を発表した。
今回の不法入国はイタリアとも政治的な対立を引き起こした。イタリア首相のジョルジャ・メローニ氏は、スペインとの国境を開けたシェンゲン協定を停止する措置を検討していると表明した。X(旧ツイッター)に投稿した彼女は、セウタでの映像は「衝撃的」で、「ヨーロッパの国境の安全に具体的な脅威をもたらす」と述べた。同日の午前中には、外相のアントニオ・タジャーニ氏も同様の発言をしていた。
しかし、そのような措置は現実的ではないと見られている。スペイン外相のホセ・ルイス・アルバラレス氏は、タジャーニ氏が移民問題を政治目的のために武器化していると批判し、「ヨーロッパでの連帯協力と党派的なデマゴギーのどちらを選ぶかを問うものだ」と述べた。
シェンゲン協定は、国境の共同検査を廃止した29カ国が参加する制度である。正確な人数は不明だが、スペインメディアはロイター通信を通じて、14日にセウタに2000~3000人が入国したと推定している。ただし、この数字は国境警備隊(ガルディア・シヴィル)が確認したものではない。
緊張が高まる中、14日夜には衝突が起きたとの報道も出ている。モロッコのセウタ国境近くの町フニデクでは、モロッコ当局が水砲を発砲して移民の入国を阻止しようとした。ロイター通信の目撃者によると、スペインのもう一つの北アフリカ自治区メリッラでは、地元メディアや人権団体がベンイ・アンサル国境で衝突が起きた映像を公開した。
今回の不法入国は、2021年5月に約8000人が数日間でセウタに入国し、モロッコとの外交的緊張を高めた出来事と比較されている。セウタとメリッラは、ヨーロッパ連合(EU)がアフリカと接する唯一の陸上国境である。スペイン当局は近年、監視体制の強化や国境の強化、モロッコとの二国間関係の改善を通じて自治区周辺の治安を強化しているが、依然として不法入国が試みられている。
コメント
まだコメントはありません
最初にコメントしましょう