ドイツの各地で数万人が街頭に出て、右翼政党「ドイツの代替案(AfD)」への抗議行動を展開した。

主要都市で大規模なデモ

9月15日、ベルリン、ハンブルグ、ミュンヘンなど約20都市で、AfDの禁止を求める市民運動「プルーフ」が主催するデモが行われ、約15万人が参加した。

デモ参加者たちは「AfDを今すぐ禁止せよ」「民主主義には代替案はいらない」と書かれたプラカードを掲げていた。

市民運動「カムパクト」の責任者、クリストフ・バウツ氏は「憲法の敵を政権から排除するため、市民社会の広範な層が街頭に出てきた」と述べ、ハンブルグでは約2万5000人、ミュンヘンでは1万2000人が参加したと話した。

警察によると、ベルリンでは数千人が別の抗議行動に参加した。

AfDの選挙勝利と反対集会

AfDはドイツの首都ベルリンで反対集会を開催。同党の首都選挙の代表候補、クリスティン・ブリンカー氏が出席した。

この動きは、AfDが東部ザクセン=アナハト州議会選挙で圧勝したことを受けて起きた。9月6日に行われた選挙で、AfDは約44%の得票を獲得し、長年ドイツ政治を主導してきた首相フリードリヒ・マーゼル率いるキリスト教民主同盟(CDU)の約17%を大きく上回った。

AfDは移民反対やロシアへの好意的な姿勢が特徴で、過半数をわずかに下回ったため、他の政党と連立政権を組む協議に入っている。これはナチス政権終結後の1945年以来、ドイツの州で右翼政党が政権を担う初めてのケースとなる。

AfDの州責任者、ウリヒ・ジーグムント氏は支持者に対し「国民は政治的変革を求める明確な意思を示した。そして、その変革を我々とともに実現したいと願っている」と述べ、選挙結果を歴史的と位置付けた。ジーグムント氏は、当初は単独で政権を担うことを主張していたが、現在では他の政党と連携する姿勢を示している。

政治的・歴史的懸念

AfDの台頭は、ドイツの歴史とその再現を断固として拒否する国の姿勢に深く不安を抱かせている。

AfDは州議会の83議席中39議席を獲得する見込みで、過半数に3議席不足している。連立政権を組むには他の政党の協力を得る必要があるが、主要政党は長年にわたる「ファイアウォール(防火壁)」政策に基づき、AfDとの共同政権を拒否している。AfDはドイツの州や連邦レベルで政権に参加したことはこれまでない。

こうした状況は、AfDの全面禁止を求める声を後押ししているが、ドイツでは法的な困難が伴う。マーゼル首相もその動きには慎重な姿勢を取っている。