トランプ米大統領とイラン当局は、ホルムズ海峡周辺の緊張が高まる中、軍事行動の可能性に向けた厳しい警告を交わしている。ヤフーファイナンスが報じた。世界最大の航路の一つであるホルムズ海峡では、年間で世界の海運原油取引の約20%が通過しており、状況の悪化が懸念されている。

言辞の緊張と戦略的対応

専門家によると、米国とイランの間で交わされた最近の脅し合いは、両国ともに強硬な言葉を用いている。トランプ氏はかつてイランを「完全に破壊する」と脅したが、イランの発電所を攻撃する予定の軍事行動を延期している。ヤフーファイナンスの報道によると、この延期は地域の関係者や世界市場の懸念を和らげていない。

米国戦略国際問題研究所(CSIS)の中東プログラムディレクターのモナ・ヤコビアン氏は、Market Dominationのホスト・ジョシュ・リプトン氏とのインタビューで、トランプ氏の慎重さは地域のさらなる不安定化を避けるためのものだと説明した。「政府は、イランのさらなる攻撃を抑止する必要性と、広範な戦争を引き起こすリスクのバランスを取っている」とヤコビアン氏は語った。

イラン当局も強い警告を発している。イランの国営メディアは、イランは米国の軍事行動に対して「決定的かつ比例的な対応」を取ると報じている。この発言は、イランが米国の決意を試している時期に発されたもので、最近の報告では湾岸地域での軍事活動が増加している。

国際原油市場への影響

ホルムズ海峡の状況は、国際原油価格や貿易に大きな影響を与える。年間で世界の海運原油取引の約20%がこの海峡を通るため、何らかの混乱が発生すれば、世界経済に大きな打撃を与える可能性がある。専門家は、攻撃の脅威自体が原油価格を急騰させる可能性があると警告しており、2019年のタンカー攻撃が原油価格を急騰させた例を挙げている。

米エネルギー情報局(EIA)によると、湾岸地域の緊張が高まったとされる週以降、世界原油価格は8%上昇した。この価格上昇は既に消費者に影響を及ぼしており、米国のガソリン価格は過去1か月でガロン当たり3.5セント上昇した。

エネルギー分析会社Global Insightsのジェームズ・ベイカー氏は、「地域の不確実性は、世界市場に波及効果をもたらしている。潜在的な戦争の可能性さえも、原油価格を押し上げ、世界経済に影響を与える」と述べた。

船会社やトレーダーも、潜在的な混乱に備えている。国際商工会議所(ICC)の船運データによると、過去2週間で好望角(カペル・ド・ボア)を迂回する船の数は15%増加しており、ホルムズ海峡の安定性に対する懸念が高まっている。

米国とイランの次の一手

両国とも譲歩の兆しはなく、今後の展開が注目されている。米国防省当局者は、イランの軍事動向を密接に監視しており、地域に追加の海軍資産を展開していると述べた。高級防衛担当官はロイター通信に対して、「どんな状況にも対応できる準備ができている」と語った。

一方、イランは湾岸地域での一連の軍事演習やミサイル試射を通じて米国の決意を試している。イランは地域でのプレゼンスを強化しており、イラン系民兵組織がイラクやシリアでの影響力を拡大しているとの報道もある。

専門家は、今後の数週間が状況の緊張の高まりまたは緩和を決定づける重要な時期になると指摘している。ヤコビアン氏は、「どちらかが誤った行動を取れば、戦争のリスクは急激に高まる。米国とイランの両方とも、相手の行動に対する反応の仕方に注意を払う必要がある」と警告した。

米国はイランに対して最近の制裁に対する回答を求める期限を設定しており、イランが期限内に応じなければさらなる経済的圧力をかけると示唆している。期限は4月末とされている。ホワイトハウスの高級官僚が明らかにした。

一方、欧州諸国は背後で外交的交渉を進め、両国が対話に応じるよう呼びかけている。ブリュッセルで開かれた閉門会議で、欧州連合の高官は「中東での新たな戦争は世界が負えないとする」と述べた。

状況は依然として流動的であり、米国とイランの両方とも、緊張を高める意欲はある一方で、開戦を避ける意欲も示している。4月の期限に向け、世界は外交が戦争の脅威を乗り越えることができるかを注視している。