ドナルド・トランプ米大統領は、テキサス州ダラスで開かれた共和党大会で、11月3日の中間選挙で米下院と上院の両院を共和党が維持すれば、米国人全員に5000ドルを支給すると約束した。この支払いは「トランプ・ディヴィデンス」と名付けられたが、資金の出所については明言しなかった。トランプ氏は「我々の国は非常に多くのお金を生み出している」と述べた。

選挙戦略と財政上の懸念

トランプ氏は、投票者に自分の名前が立候補者に書かれているかのように共和党候補を支援するよう呼びかけた。また、選挙の重要性を強調し、民主党が下院と上院を獲得すれば米国にとって「悲劇」になる可能性があると警告した。さらに、選挙を「共産主義との戦い」と比喩した。

この約束はインフレや米国の財政状況に関する懸念を引き起こしている。一部の分析家によると、このプログラムを実施するには約13500億ドルが必要になる。トランプ氏は資金計画を示しておらず、副大統領のJ・D・バーンス氏は関税収入を資金源の一つに使う可能性を示唆したが、具体的な提案はなかった。

政治的背景と課題

トランプ氏の運動は、共和党が中間選挙で歴史的に厳しい状況に立たされている中で行われている。通常、政権政党は下院の議席を失う。トランプ氏の支持率は低く、多くの有権者はインフレや中東戦争の対応に不満を抱いている。

一部の共和党候補はトランプ氏から距離を置き、地元選挙に集中している。一方、トランプ氏は民主党や左翼的な政策を批判し、選挙を米国の未来にとって「決定的な瞬間」だと位置づけている。

以前の経済提案

トランプ氏が現金ベースの経済的インセンティブを提案するのは初めてではない。7月には「トランプ・アカウント」と名付けられた税制優遇型投資口座を導入し、2025年から2028年に生まれた子どもに政府が1000ドルを一括で預けるとした。しかし、中間選挙での5000ドル支給案は、議会の承認や配布の実務的な課題など多くのハードルに直面している。