アリゾナ州の銃商が2つのメキシコ薬物カルテルに銃を販売したとして、The GuardianTucson SentinelFox Newsなどの報道によると、起訴された。銃商はリチャード・マーティネズ氏と特定され、米国運輸保安庁(ATF)が実施したスティンガーオペレーションで、米メキシコ国境を越えた違法な銃の取引が発覚した。マーティネズ氏は、シナロアカルテルとジャリスコ・ニューゲネレーションカルテルのメンバーに、.50口径ライフルや機関銃、その他の高威力の武器を販売したとされる。

法的責任とATFの作戦

Tucson Sentinelによると、米司法省はリチャード・マーティネズ氏をテロ関連の罪で起訴し、既知の薬物販売組織に銃を提供したとしている。この起訴は、2023年末にATFが実施したスティンガーオペレーションから生じたもので、作戦中、連邦捜査官はマーティネズ氏がシナロアカルテルとジャリスコ・ニューゲネレーションカルテルのメンバーと銃の取引をしていたことを確認した。ATFは、アリゾナ州南部の小さな町で行われた取引を監視するため、潜入捜査官を用いた。

Tucson Sentinelによると、.50口径ライフルや機関銃は、カルテルに販売された最も強力な銃の一つで、車両の装甲を貫通する能力がある。これらの武器は、高知名度のカルテル間の衝突で頻繁に使用されている。ATFのスティンガーオペレーションは数か月にわたって続き、アリゾナ州とニューメキシコ州で複数の潜入作戦が行われた。関係当局は、この作戦は、メキシコにおける銃暴力の深刻化を抑えるためのより広範な取り組みの一部であると述べた。

マーティネズ氏は2024年3月15日に逮捕され、有罪判決を受けると最大で終身刑を科せられる可能性がある。The Guardianによると、この事件を担当する米国検察は、マーティネズ氏がカルテルと直接関係があることを示す証拠を提出する予定で、監視映像、金融記録、協力証人からの証言が含まれる。審理は2024年6月末に、ターセント州の連邦裁判所で開始される予定。

カルテルの活動と国境の安全

マーティネズ氏の起訴は、メキシコへの違法銃の流入に対する懸念が高まっている中で発生した。カルテルは、高威力の武器を用いて暴力を拡大し、地域支配を広げるために使用している。メキシコ競争研究所(IMCO)の2023年の報告書によると、過去5年間で7万を超える銃が米国発のものと特定されており、アリゾナ州は違法銃取引に関与するトップの州の一つである。

Fox Newsによると、メキシコ最大の薬物販売組織の一つであるシナロアカルテルは、複数の高知名度の暗殺やライバルグループへの攻撃と関連づけられている。近年急速に成長したジャリスコ・ニューゲネレーションカルテルも、米国から入手した銃を用いて、ミチョアカン州やジャリスコ州で暴力的な活動を展開しているとされている。

米国国境の安全担当官は、違法銃取引が国家安全保障に重大な脅威であると繰り返し警告している。Tucson Sentinelによると、米国国境検査庁(CBP)は2023年、米メキシコ国境で押収された銃の数が15%増加したと報告した。その多くはアリゾナ州とテキサス州から来ている。CBPの担当者は、押収数の増加は、カルテルの活動の高度化と、ブラックマーケットで高威力銃が手に入りやすくなっていることが原因であると述べた。

地元の反応と影響

マーティネズ氏の逮捕は、銃所有が広く合法であるアリゾナ州の地元コミュニティで反響を呼んでいる。The Guardianによると、一部の住民は、この事件が州内の銃権に与える影響に懸念を示している。一方で、他の住民は、国境の安全を強化し、銃規制を厳格化する必要性を強調している。

The Guardianへの声明で、地元の銃権擁護団体の代表は、「この事件は、銃が犯罪組織の手に渡る危険性を示している。銃の合法的な販売が、暴力やテロに利用されるような状況になってはならない。」と述べた。

Tucson Sentinelによると、アリゾナ州南部の地域リーダーは、マーティネズ氏の逮捕を「組織犯罪との戦いにおける必要な一歩」と語った。匿名を希望したリーダーはさらに、「我々の州が、国境を越えて暴力を助長する武器のパイプラインにならないようにする必要がある。」と述べた。地域住民は、今後このような事件を防ぐために、地元警察と連邦機関との協力をさらに強化するよう呼びかけている。

国際的な影響

この事件は、メキシコ政府や人権団体など国際的な関係者からも注目されている。Fox Newsによると、メキシコ外務省は、米国とメキシコの間で違法銃取引を撲滅するための強化された協力を呼びかけている。外務省は声明で、「米国当局に、銃の流入を防ぐための決定的な行動を取るよう強く求める。これは、我々の市民に深刻な影響を及ぼしている。」と述べた。

メキシコの人権団体も、銃関連の死亡数の増加に懸念を示している。メキシコ競争研究所(IMCO)の報告によると、2023年、銃関連の事件で3万人以上が死亡した。その多くはカルテルの暴力によるもので、高威力の銃が衝突の拡大に重要な役割を果たしている。

米国務省は最近の報告書で、違法銃取引が「両国にとって重要な課題」であると認定している。報告書では、米国政府に対し、国境の安全を強化するための資金を増やすよう求め、メキシコ当局と協力して銃の動きを追跡するよう呼びかけている。