ジョー・バイデン米大統領は南カロライナ州コロンビアで開かれた政治指導者や寄付者を集めた会合で、元大統領ドナルド・トランプを強く批判し、トランプの人気の低下と国家的重要課題への無関心を指摘した。この演説は、最近数カ月、国家主義的なトーンを避けているバイデンにとって珍しいものだった。
トランプの国情演説への批判
バイデンは、トランプが1時間47分もかけて行った最近の国情演説を「まだ話しているのか?」と冗談めかして指摘し、聴衆の笑いを誘った。これはバイデンがトランプに対して行った批判の中でも最も穏やかなものだった。
バイデンは、トランプが移民や他の主要な問題の取り組みに対して「奇妙な執着」を示していると非難し、中選挙での投票を妨げる行動を通じて「選挙を盗もうとした」とも述べた。また、「この人物には何か問題がある」と語り、元大統領の政策や行動を指摘した。
移民と国家安全保障への注目
バイデンは、ミネソタ州で起きた移民の増加に伴う、2人の米市民が射殺された事件について語り、状況を「悲惨な日々」と評価した。また、トランプが国情演説でその犠牲者を言及しなかった点を批判した。
「ミネソタ州のICE(米国移民・入国管理庁)によって射殺されたレネー・グッドさんやアレク・プレティさんを言及していない。彼は、前座に座っているエプシュタイン事件の犠牲者たちにも支援の言葉をかけていない。」と、バイデンはプレティ氏の苗字を誤って発音しながら述べた。
政治戦略と南カロライナの役割
バイデンは、南カロライナ州が大統領選に与える影響力を強調し、「もし私は共和党の候補に選出されれば、大統領の座を獲得できる」と述べた。この発言は、2020年の大統領選で彼が元参議院議員のバーニー・サンダースを破った際の南カロライナ州の重要な役割を指摘したものである。
2028年の大統領選に向け、南カロライナ州は主要な一次選挙州としての地位を回復しようとしている。バイデンは明確に支持を求めたわけではないが、州の重要性を強調し、次期政権の形成に与える影響を訴えた。
バイデンが南カロライナ州に戻ったのは、トランプが再び大統領に復帰してから1年後のことである。この間、彼はトランプの移民政策や国家安全保障に関する方針を批判し、自身の功績としてインスリンの価格を抑える措置や雇用の増加を挙げた。また、トランプが国際的な地位を損なっていると非難した。
トランプは2024年の大統領選で、バイデンの移民政策に対する不満を背景に勝利した。バイデン政権下で移民の流入が急増し、数十万人の移民が全国の都市にバスで送られ、資源の分配に関する緊張が生じた。
バイデンは、移民政策に関する両立的な方針を打ち出そうとしたが、議会の反対で実現できなかった。厳格な移民制限を導入する段階で、自党内部でも不満が高まっていた。
現在では、トランプの強硬な移民送還政策は多くの米国民から支持を失っている。最近のベルイタジャ(Beritaja)世論調査では、60%の回答者がトランプの移民および国境管理に関する政策に不満を抱いていると回答した。特に、グッド氏とプレティ氏の死後、その不満は高まった。
バイデンは自身の移民政策の取り組みについても言及し、「新型コロナウイルスのパンデミックが世界中で移民を記録的な水準に押し上げたにもかかわらず、私が就任した時点では、米国での国境越えの数は、トランプ政権から受け継いだ状況よりも少なかった。」と述べた。
バイデンの南カロライナ州での演説は、自身のリーダーシップの再確認と、トランプとの政策の対比を強調するものであり、今後の選挙戦で強力な代替案としての位置付けを示す意図が見られた。
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