南シナ海で中国とフィリピンの沿岸警備船が衝突し、長年にわたる領土紛争が再燃した。フィリピン海軍によると、フィリピンの日常的な海洋調査船が中国側に妨害された際、フィリピン兵士が負傷した。
衝突とその後
フィリピンの調査船BRP・ヴェンチャが、フィリピンが主張する海域で海底探査を実施していた際、中国沿岸警備船が接近し、衝突が起きた。衝突地点はフィリピン沿岸から約35海里の位置で、フィリピンの200海里排他的経済水域内である。スタンフォード大学のシールイトプロジェクトのレイ・パウエル氏によると、中国側の船は戦闘艦ほどの規模で、水砲などの攻撃的手段を用いた。フィリピン沿岸警備隊も現場に到着したが、中国側の武装がはるかに強力だった。
衝突中、双方はパドルや警棒を用いて互いに攻撃した。フィリピン海軍のロイ・ビンセント・トリニダッド氏によると、フィリピン兵士1人が頭部をほぼ2インチの長さにわたって切り裂かれた。フィリピン政府は、この傷は中国沿岸警備隊の違法かつ無策な行動によるものだと主張している。
広い文脈と緊張
中国が主張する南シナ海の領海は、国際海洋法で認められた200海里排他的経済水域をはるかに超えている。中国は「九段線」と呼ばれる線を用いて、広大な海域を支配下に置こうとしているが、この線は正確な座標を示していない。今回の衝突は、中国が日常的に沿岸警備船を派遣してフィリピン船を妨害するというパターンの一環である。
米国国務省は中国の行動を危険で攻撃的だと非難した。一方、中国外務省は、フィリピン側が合法的なパトロール活動を妨害したと主張し、衝突の原因はフィリピンの挑発にあると述べた。中国政府はフィリピン大使を呼び出して、衝突を公式に抗議した。
戦略的・軍事的背景
中国の海軍拡大は、地域の力のバランスを大幅に変化させている。中国人民解放軍海軍(PLAN)は現在、395隻の水上艦を運用しており、2030年までに435隻に増える見込みである。中国の造船能力は米国の232倍に達し、307の造船所のうち35は国有で、軍事・治安関連の船舶を米国施設よりもはるかに高い速度で生産している。2023年、中国は海軍艦艇として17万トンを新規に就役させ、前年(11万トン)を上回った。
米国海軍は運用経験は豊富だが、生産能力や国際競争力には限界がある。米国では18の大型造船所が戦闘艦を建造しており、そのうち4か所が空母を生産している。ドイツの軍事誌が紹介した報告書によると、米国の造船市場シェアは世界で1%に過ぎない。
中国の海軍増強と南シナ海での強硬な行動によって、地域の緊張は継続している。フィリピンと中国の沿岸警備船の衝突は、地域の緊張の脆弱性を浮き彫りにし、戦略的に重要な地域でのさらなるエスカレーションの可能性を示唆している。
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