エルサレム(AP)-イスラエル発の米国系スタートアップ「ヴェニス」は、2024年設立から2年目となる今年、シリーズAで2000万ドルを調達し、Fortune 500企業で既存のサイバーアークやオクタを置き換えていると発表した。

同社によると、今回のシリーズA資金調達はIVPがリードし、シード投資をしたIndex Venturesも参加した。35人の社員を持つヴェニスは、インターネット上に登場するチャットボットやAIエージェントなどの非人間エントティの急増に伴い、認証とアクセス管理ツールの需要が高まっていることを背景に、その中心に立っている。

ヴェニスの31歳の創業者兼CEOであるロテム・ルリー氏は、ベンチャーキャピタル投資家に向けた経歴を持つ。両親はともにイスラエルのプログラマで、母親は同国を先駆けた女性ソフトウェアエンジニアの一人。ルリー氏は4年半、イスラエルの信号情報部第8200部隊で少佐として勤務し、その後マイクロソフトに就職し、ID Defender開発チームのプロダクトマネージャーを務めた。その後、アクセス管理に特化したスタートアップ「アクシス・セキュリティ」の初代プロダクト担当として勤務した。

ヴェニスの技術は、クラウドとオンプレミスの両方の環境に対応する点で特徴的。これはエンジニアリングの面で追加の努力を必要としたが、企業が新旧のインフラを併用しているため、需要がある。競合企業のペルソナやヴェザ、ギットガーディアンSASなどは、主にクラウド環境に集中している。

ルリー氏はインタビューで、「インターネット上の認証問題は、AIエージェントやボットがセキュアなアクセスを必要とするたびに拡大している。Fortune 500企業はハイブリッドソリューションを待っているわけではない。今すぐ切り替える必要がある」と語った。

業界アナリストは、ベンチャーキャピタルがアイデンティティスタートアップに注目していることを注視している。ヴェニスがサイバーアークやオクタなどの既存企業を置き換えるという主張は、企業が人間と機械のアイデンティティを統合したプラットフォームを探しているという報道と重なっている。

ヴェニスは2024年初頭に設立され、デジタルワークフォース向けのプラットフォームを構築し、非人間ユーザーの資格証明の発行と取り消しを自動化し、セキュリティを損なわないように設計されている。同社の発表によると、早期の顧客には、混在環境で運用している大規模な金融機関やテクノロジー企業が含まれている。

ルリー氏は、セキュリティ分野の巨頭であるチェックポイントやパロアルト・ネットワークスの創業者たちと同様に、第8200部隊出身という経歴を持つ。マイクロソフトでの経験は、企業規模のアイデンティティ課題に触れる機会を提供し、アクシス・セキュリティでの経験はゼロトラストアクセスモデルのスキルを磨く機会となった。

同社は資金調達をもとに製品開発と販売を加速する予定。IVPのパートナーで投資をリードしたギリ・ラアナン氏は、チームの実行力に称賛を送り、「ヴェニスは、他の企業が見過ごしているハイブリッド環境における重要なギャップを解決している」と語った。

AIの普及が加速する中、専門家は機械のアイデンティティ管理が従来のサイバーセキュリティ市場と肩を並べる可能性があると予測している。ヴェニスは、サイバーアークのようなベテラン企業からシェアを獲得するため、より簡単な導入と広範なカバレッジを提供する。

サイバーアークとオクタの幹部は、ヴェニスの主張について直ちにコメントを控えた。