英国政府は、カニエ・ウェスト(通称・イエ)がロンドンのフェスティバルで出演予定であることを受け、彼の過去の反ユダヤ主義的な発言を巡る批判が相次いでいるため、入国許可を再評価しているとBBCが報じた。ラッパーは昨年、楽曲『Heil Hitler』をリリースし、ホロコーストの象徴であるスワスチカのTシャツを販売したが、後に謝罪し、その行動は双極性障害の影響によるものだと説明した。
政府、ビザ制限の検討
英国政府は、外国人の入国が「公共の利益に反する」と判断された場合、入国を禁止する権限を持つ。首相のキア・スターマー氏は、ウェストがフェスティバルの出演を果たすことは「深刻に懸念される」と述べた。ラッパーは2023年5月に『Heil Hitler』をリリースした後、オーストラリア政府からビザを取消され、入国が禁止されている。
保守党の幹部は、政府にウェストのビザを拒否するよう求め、過去の反ユダヤ主義的な行動が「一時的な失態ではなく、ユダヤ人コミュニティに実際の不快感や苦痛を引き起こすような行動の繰り返しである」と述べた。影の内務大臣クリス・フィルプ氏は、「ウェストの過去の反ユダヤ主義的な行動は、一時的な失態ではなく、パターン的な行動であり、ユダヤ人コミュニティに実際の不快感や苦痛を引き起こしている」と述べた。
スポンサー、支援撤回
ウェストが出演予定のワイヤレス・フェスティバルでは、複数のスポンサーが支援を中止している。ロックスター・エネルギーが最新のスポンサーとして支援を中止したほか、ペプシ、ダイアゴ、ペイパルも同様に距離を置いている。英国のミネラルウォーター会社・ドリップは、今年のフェスティバルには関与していないと明確にした。
英国ユダヤ人代表団のマイケル・ワイガー会長は、英国はウェストの入国を拒否すべきだと述べた。同団体は、フェスティバルの主催会社であるフェスティバル・リパブリックと、マネージング・ディレクターのメルヴィン・ベイン氏が「人種差別を利益にしようとしている」と非難した。フェスティバル・リパブリックとベイン氏はコメントを求める要請に応じていない。
フェスティバル、注目される
7月10日から12日にかけてフィンスベリー・パークで開催予定のワイヤレス・フェスティバルは、1日あたり5万人の来場者を予想している。前売りは火曜日に開始され、一般販売は水曜日に始まる。しかし、スポンサーの支援が続く限り、今後の開催は不透明である。
フェスティバルの会場を管理するハリングエイ・カウンシルは、予定された出演について失望を示し、同カウンシルの価値観と矛盾していると述べた。議員のペラ・アハメト氏は、出演者を指定することはできないが、公共の安全を確保し、地元住民の懸念に対応するとの姿勢を示した。
ロンドン市長の事務所は、以前、ウェストがロンドン・スタジアムで出演することを拒否し、地域の懸念と評判へのリスクを理由にした。ウェストは、過去の反ユダヤ主義的な発言について、1月にウォール・ストリート・ジャーナルに掲載された全面的な謝罪文で、自分はナチスでも反ユダヤ主義者でもないと述べた。
ウェストの発言には、スワスチカとユダヤの六芒星を組み合わせた画像の投稿や、「ユダヤ人に対しては『死亡コン3』(死亡確率300%)」という発言、昨年スワスチカのTシャツを販売したことが含まれる。謝罪文では、双極性障害が行動の原因であり、躁状態の際に「現実感を失っていた」と説明した。
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