スターマー英首相は、米国とイスラエルの軍事行動後のイランの報復攻撃への対応について、労働党左派とグリーン党から厳しい批判を受けている。首相は、イランが湾岸諸国や近隣諸国を標的としたミサイルとドローン攻撃を開始したことを受け、自国の市民の安全を最優先に考えていると強調した。
緊張の高まりと軍事的反応
米国とイスラエルがイランを攻撃したことに応じて、イランはキプロス、クウェート、カタール、イラク、アラブ首長国連邦(UAE)、バーレーンを標的とした報復攻撃を展開した。月曜日、下院で演説したスターマー首相は、当初米国が英国の基地を使用してイランのミサイル施設を攻撃することを阻止した決定を擁護した。しかし、湾岸諸国を守るため、後に英国の基地を使用することを許可した。
スターマー首相は、労働党の左派議員から、英国が中東紛争にさらに巻き込まれることを避けるよう強く求められた。下院の会議中には、自身の党の議員を含む複数の議員が、過去の西側の地域介入、例えばイラクやアフガニスタンの戦争から「教訓を学ぶ」よう首相に呼びかけた。
労働党とグリーン党議員からの批判
労働党の上院議員エミリー・ソーンベリーは、下院外交委員会の議長として、米国の攻撃を「不適切で、判断ミスで、違法である」と非難した。かつて労働党の財務担当影務大臣を務めたジョン・マクドナルドは、過去のイラク、リビア、アフガニスタンの戦争を引き合いに、軍事行動のリスクを警告し、スターマー首相に英国が米国大統領ドナルド・トランプの政策に左右されない独立した立場を保つよう求めた。
ブラッドフォード東選挙区の労働党議員イムラン・ハシーンは、首相が英国を「トランプの忠犬」として扱っていると批判し、「違法で無限の戦争」を終わらせることを求める。リーズ東選挙区の労働党議員リチャード・バーゴンは、現在の危機が大規模な戦争に発展する可能性があると警告し、過去の西側の介入の結果を繰り返すことを懸念している。
下院でグリーン党のリーダーを務めるエリィ・チョーンズは、米国とイスラエルの攻撃を「深刻に責任を問われるべきで、違法である」と非難し、英国の関与について議会での投票を求める。チョーンズ氏は、首相がトランプの「暴走的な」政策に反対していないと非難し、英国が戦争に反対するよう呼びかけた。
法的および政治的課題
スターマー首相は、自国の決定が国際法に合致していると主張し、イランの攻撃に伴う「集団的自衛」に基づいていると述べた。政府は、自国の立場を示す法的要旨を発表し、英国が攻撃的な軍事行動に踏み込まないと強調した。
グリーン党のリーダーで議員ではないザック・ポランスキー氏は、スターマー首相に対し、米国がイランを攻撃するために英国の基地を使用することを中止するよう要求した。ポランスキー氏は、首相が英国を「新たな違法戦争に巻き込むこと」を許可していると非難し、英国の関与について議会での投票を求めた。ポランスキー氏は、2020年の労働党党首選挙の際にスターマー氏が「違法な戦争」を終わらせ、人権を外交政策の中心に据えると誓ったことを挙げた。
スターマー首相の決定は、地域の指導者たちと協議した結果であり、彼らは英国が自国をイランのミサイルから守るためのさらなる措置を求めていた。首相は、英国が北部イランとカタールを脅かすイランのドローンを撃墜するなどの防衛的な作戦を続けると強調した。
同日、ポランスキー氏はテレビインタビューでトランプ大統領を「ジャングルの法則」に従っていると非難し、国際法が崩壊し、世界が制限のない軍事行動の危険な傾向に直面していると主張した。その発言に対して、批判の声が上がっている。
この論議は、スターマー首相にとって微妙な時期に発生しており、労働党がグートンとデンテンの補選でグリーン党に敗北したという政治的打撃の直後である。これにより、首相は外交政策と軍事関与に対する明確な立場を示す必要が高まっている。
スターマー首相は、批判に対して毅然とした姿勢を貫き、自国の国民の安全を最優先に考えていると再び強調した。しかし、党内外で広がる分裂は、英国が中東で果たす役割や、さらなる緊張の高まりの懸念を浮き彫りにしている。
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