シアトル出身のラッパー、マックレモ(本名:ベンジャミン・ハムモンド・ハガティ)は、9月4日と5日にニュージャージー州メトライフ・スタジアムで開催されたエド・シーランの「ループ・ツアー」の初日と2日目のコンサートで、「フリーパレスチナ」とのスローガンを叫び、パレスチナの人々への連帯を表明した。これにより、米国ツアーから外れた。

物議を醸したステージ上の行動

マックレモは9月4日のコンサートで自身の楽曲「ヒンズ・ホール」を演奏した。この曲は、2024年に発表した学生デモを支持する楽曲の一つであり、2023年10月7日のハマスによる攻撃に伴うイスラエル軍のガザでの軍事行動への反応でもある。また、パレスチナの伝統的なスカーフ「ケフィーヤ」を身に着けていた。

彼の発言や服装は、イスラエル支持団体から批判された。その中でも、イスラエル・アメリカ協会(IAC)はマックレモのツアー出演中止を求める請願を立ち上げ、決定を歓迎した。IACは声明で、「8万人規模のコンサートを片寄った政治的アジェンダの宣伝に使う者が、その選択を責任を持って背負うべきだ」と述べた。

会場の圧力とプロモーターの決定

シーランの米国ツアーのプロモーターであるメシナ・トーリング・グループは、マックレモの出演を続ける場合、複数の会場がコンサートの中止を通告したとして、彼をツアーから外したことを確認した。ローリング・ストーンに寄せた声明でプロモーターは、「ツアーの日程で予定されている会場から、マックレモが出演する場合、コンサートを開催しないとの通知を受けている。これによりツアーのキャンセルにつながり、何十万人ものファンに影響が出る」と述べた。

マックレモは、米国ツアーの残り10公演のうち8公演に出演予定だった。問題の会場には、フィラデルフィアのリンカーン・ファイナンシャル・フィールド、マサチューセッツ州フォックスボローのギルレット・スタジアム、アトランタのメルセデス・ベンツ・スタジアムなどが含まれる。

インスタグラムに投稿した声明で、マックレモは、ニューエングランド・ペイトリオッツとギルレット・スタジアムの億万長者オーナーであるロバート・クラフトがシーランに圧力をかけたため、自身がツアーから外れたと述べた。「エドは、クラフトが私をそのスタジアムで演奏させないと言われたと伝えた」とマックレモは書いた。彼は圧力運動の詳細やシーランからの追加の文脈は説明しなかった。

ツアーへの影響と公の反応

ループ・ツアーは、年間最大のコンサートシリーズの一つで、シーランは各公演で大規模な観客を集める。マックレモは残りの米国公演でオープニングアクトを務める予定だったが、彼の出演中止は、音楽業界における政治的表現と公のパフォーマンスの関係についての疑問を投げかける。

シーランや多くの会場の代理人はコメント要求に直ちに応じなかったため、決定の詳細は未解決のまま。この騒動は、イスラエルとハマスの紛争に関する意見の分断と、アーティストが公のプラットフォームで政治的信念を表明する役割についての議論を浮き彫りにしている。