ロシアの反戦政治家アレクセイ・ナデジディン氏(63)が、選挙前の反対意見への弾圧の中で国外逃亡したと、英ガーディアン紙が報じた。エッフェル塔の前で撮影された動画の中で、ナデジディン氏は「良いニュース:私は生きていますし、自由です。残念ながら、現時点ではロシアにはいません」と述べ、「前向きに人生を考え直す必要がある」と語った。

反対派への圧力が強まる

ナデジディン氏は9月の議会選挙に出馬を登録した後、軽微な行政違反の疑いで一時逮捕され、これにより脅迫と出馬阻止の試みと見られている。同年、ロシア司法省はナデジディン氏を「外国人代理人」と指定し、これは報告義務や政府の監視の強化、社会的ステイタスの低下を伴う。さらに、極端主義に関連する行政上の罪に問われたため、ロシア政府が厳しく統制すると予想される議会選挙への出馬が禁止された。

先月、ロシアの独立メディア・メディアザとのインタビューで、ナデジディン氏は家族とともにロシアを離れる検討を始めていると語った。氏はロシアに残り、議会選挙に立候補したいと願っていたが、投獄されるリスクが増加していることを無視するのが難しくなっていると認めた。

ロシアの移民と弾圧の広がり

2022年2月のウクライナへの全面侵攻によって、数十年ぶりにロシアからの移民が急増した。ベルリンの東欧・国際研究センター(ZOiS)が発表した報告書によると、この移民は戦争への反対という単一の動機によるものではなく、実用的な理由から移住した人も含まれる。2022年以降の移民には戦争反対派だけでなく、経済的・安全上の理由でロシアを離れた人も含まれる。ベラルーシの移民とは異なり、国外に逃れたロシアの政治家たちは統一的な力となっていない。また、家族への恫喝や監視、法的嫌がらせなどの「国際的弾圧」がこの移民波の特徴となっている。

一部の移民は、こうしたリスクに対応するため「戦略的な非関与」を選択している。ZOiSの報告書では、新移民は受け入れ国の人々から二面的な反応を受けることや、特にウクライナ人移民との間で連帯と緊張が混在する複雑な関係に直面していることが指摘されている。

独立メディアと検閲

ウクライナ侵攻後、ロシア国内の実情について正確な情報を得ることが難しくなっている。朝日新聞の報道によると、その一つの理由は政府の検閲政策だ。ジョージアに拠点を置くロシア人ジャーナリストのエフゲニー・マガダリツ氏は、反政府政治家と関与したことで刑事訴追された経験がある。「公式立場に反する発言をすれば投獄される可能性がある」と語る。「検閲は2000年代から行われており、侵攻によってさらに悪化している」。

ラトビアに拠点を置く独立オンライン放送局「ドズド」のアリナ・ディドコフスカヤ記者は、国営テレビは国内の状況を報道していないと指摘した。独立メディアの報道が不足しているため、ロシア国内の正確な情報にアクセスする困難がさらに悪化している。

侵攻後、ロシア政府は独立メディア、人権団体、市民社会団体、戦争批判者を対象とした歴史的な弾圧行動を展開した。数百人が投獄され、数千人が国外に逃れている。