南東部の選挙は、トランプ大統領の政治的影響力が依然として強いことを示しており、彼が支持する候補者であるクレイ・ファーラー氏がジョージア州の深紅色の14区で議席を獲得する道をさらに近づけた。同区では、トランプと対立した共和党のマジョリーキー・テイラー・グリーン氏が1月に議席を辞任したため、補充選挙が行われた。投票結果では、誰も過半数を獲得できず、4月7日にファーラー氏と民主党のシャン・ハリス氏の決選投票が行われることになった。

トランプの影響力と共和党の補充選挙

グリーン氏の後任を争う候補者は10人以上おり、ジョージア州14区は近年の選挙でトランプ氏を約37ポイントで支持している伝統的な共和党の地盤である。ファーラー氏は、ジョージア州北部で検察長を務める人物で、トランプ氏が支持する候補者として約3分の1の得票数を獲得し、共和党の主要なライバルである元州議会議員のコルトン・ムーア氏を大きく上回った。

ムーア氏は保守的な立場を貫く人物で、ジョージア州議会の主要な共和党議員と対立していた。トランプ氏の支持を求めたが、トランプ氏はムーア氏が「予測不能」として支持を拒否した。地元の共和党員は選挙前にはムーア氏に強い支持があったと指摘しているが、最終的にはトランプ氏が支持したファーラー氏に票が集まった。

トランプ氏は共和党の補充選挙において長年「王様」的な存在として機能してきたが、例外もある。2022年にはジョージア州知事のブライアン・ケンプ氏(R)がトランプ氏が推した候補者を破り、2020年の大統領選結果を否定する圧力を拒否した。しかし今回は、トランプ氏の影響力によりファーラー氏が決選投票で強固な立場を築いている。

分裂した選挙の中で民主党の挑戦

民主党は分裂した選挙環境を活かして、多数票を獲得する機会を狙った。2024年の選挙でグリーン氏に敗れた軍人出身のシャン・ハリス氏は40%以上の得票を獲得し、ファーラー氏と決選投票を戦うことになった。ハリス氏の陣営は、極右派の支持層に失望した有権者に訴える、より中立的な候補として位置づけている。

グリーン氏は1月5日に議席を辞任し、これにより共和党の議会多数派の優位性はさらに狭まった。かつてトランプ氏の強い支持者だったグリーン氏は、医療や外交政策など、トランプ氏や他の共和党指導者と対立する立場を取った。彼女は「アメリカファースト」の運動を広めたトランプ氏の真の支持者であると自認していた。

グリーン氏の辞任は、トランプ氏がソーシャルメディアで「ただ『不満、不満、不満』としか言わない」と述べ、彼女の支持を撤回したことに起因している。これにより、トランプ氏の支持を受けていたグリーン氏の後任は、党内部の分裂が続く中でも依然として共和党の地盤である14区で争われる。

民主党の補充選挙における世代交代

一方、ミシシッピ州では、長年議員を務めるベニー・G・トンプソン氏が、34歳の弁護士で元議員秘書のイヴァン・ターンジェ氏から補充選挙を受けることになった。ターンジェ氏の陣営は、ミシシッピ州2区、米国で最も貧しい地域の一つを代表するトンプソン氏が十分な成果を上げていないと主張している。

ターンジェ氏の選挙広告では、「90年代の古い戦術は私たちを裏切った」と述べ、有権者に「新しい方法を試すべきだ」と呼びかけている。78歳のトンプソン氏は、ミシシッピ州議員の唯一の民主党員であり、2021年1月6日の議会襲撃事件を調査した議会委員会の議長としても知られている。彼は長年、自らの選挙区の利益をしっかり守ってきている。

ターンジェ氏は、ミシシッピ州議員の補充選挙を争う若手候補者の中の一人に過ぎない。ノースカロライナ州では、69歳のヴァレリー・ファーシー議員(D)が、32歳の自由主義的なニダ・アラム氏をわずかに下して勝利した。アラム氏はベーニー・サンダース上院議員(I-VT)の推薦を受けている。

この傾向は、民主党全体において高齢議員が若い、より進歩的な候補者から批判や競争を受けるという世代交代の兆しを示している。その他の高齢議員、例えばカリフォルニア州のナンシー・ペロシ議員、メリーランド州のステニー・H・ハイヤー議員、ニューヨーク州のジェリー・ナダーラ議員も再選を断念しており、今後数年における民主党の指導層の再編が見込まれる。

ミシシッピ州の補充選挙の勝者には、州都ジャクソンを含む青色の選挙区を代表する立場が与えられる。これらの選挙の結果は、両党が今後の選挙に備え、支持層を固めるためにどう対応するかに大きな影響を与える可能性がある。

決選投票が迫る中、両党の戦略が注目される。共和党にとっては、ファーラー氏を統一的な候補者として推し進めることの難しさが問われる。民主党にとっては、伝統的に共和党の支持を受ける地域で有権者を引きつける力が試される。