英国、カナダ、オーストラリアの3国は、イスラエルが2024年にガザで国際支援団体「ワールド・セントラル・キッチン(WCK)」の輸送車両を攻撃した件について刑事調査を拒否したことを「恥ずべき決定」と批判した。この攻撃で7人の支援活動関係者が死亡した。BBCが報じた。

死者には3人の英国人、ポーランド人、オーストラリア人、カナダ人、米・カナダ両国籍者が含まれた。3国の外務省は共同声明で、「この事件の被害者とその家族は司法と責任の追求を求める資格がある。我々は引き続き、彼らのために真相解明を求めていく」と表明した。

イスラエルの豪州大使ヒレル・ニューマン氏は、この決定を擁護し、「犯罪的意図がなかったため、犯罪責任もない」と述べた。声明によると、2024年4月1日、イスラエル国防軍(IDF)はガザで民間人向けの食料を運搬中のWCKの輸送車両を砲撃した。これに続いて、2年以上にわたってイスラエルに対し迅速かつ徹底的な調査と責任者への問責を求めてきたと述べている。

人道の日での発表に批判が強まる

3国は、イスラエルの発表が「世界人道の日」に発表されたことについて特に問題があると指摘した。この日は世界中で人道支援活動家の勇気と犠牲が称えられる日であると強調した。また、WCKへの攻撃は「ガザで起きた多数の事件の一つに過ぎず、責任の追求がなされていない」とした。2025年現在、ガザは「支援物資の届け先として最も危険な場所」であり、186人の人道支援関係者が死亡している。

イスラエル、誤認と通信ミスを主張

IDFは水曜日発表した声明で、輸送車両に武装警備員が同行していたことを事前に把握していなかったと説明し、その人物を誤ってハマス戦闘員と認識したと述べた。また、軍と事前に協議されたルートから輸送車両が外れてしまったとも指摘した。IDFは、「この過程での重大な失敗があったが、指揮官の決定には犯罪的行為の合理的な疑いが生じなかった」と強調した。

3国による声明発表の前、オーストラリアはニューマン大使を呼び出して抗議した。オーストラリア外相のペニー・ウォン氏は、「イスラエル政府の決定に激しい怒りを覚える」と表明。また、砲撃についての未解明の点として、もし最初の攻撃が「重大な誤算」だったとすれば、その後数分以内にさらに2回の攻撃が続いた理由なども挙げている。

国際・国内で反応

ポーランド外務省も木曜日に発表した声明で「非常に失望している」と表明し、ワルシャワに駐在するイスラエル大使を呼び出した。WCKの創設者、ホセ・アンドレス氏は、イスラエルの決定を「誤り」であり「我々全員にとってつらい」と批判し、独立した調査委員会の設置を求める声明を発表した。

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、英国、オーストラリア、カナダの最新声明については公に反応していないが、以前に軍が「意図的ではない」形で支援関係者を殺害したと述べたことがある。

今回の声明発表は、英国外相エド・ミリバンド氏とイスラエル外相ゲイディオン・サアル氏の間で、イスラエルが占領下の西岸地区で戦略的に重要な地域に約1,200戸の入植者向け住宅建設の入札を発表したことで激しい言辞を交わしたのちに発せられた。

国際法上、イスラエルの入植者団体は違法とされている。特に、エルサレム東側に位置するいわゆる「E1地区」への建設計画は長年にわたって国際的に批判されてきた。

ミリバンド氏は入札の発表を「受け入れがたい破壊的な行為」と非難し、イスラエルに対し「直ちにE1計画を中止し、入札を取り下げ、入植者団体の拡大を止めるよう」求めた。

これに対し、サアル氏はソーシャルメディアでミリバンド氏の声明を「断じて受け入れない」と述べ、「ユダヤ民族はイスラエル全土で暮らす権利がある。英国人もロンドンや英国全土で暮らす権利があるのと同じだ」と反論した。

IDFがWCK輸送車両への攻撃について刑事調査を拒否した一方で、2024年にガザでイスラエル軍によって5歳のパレスチナ人少女ヒンド・ラジャブさんとその家族6人を殺害した事件について刑事調査を発表した。

また、2025年3月には医療関係者や国連職員を含む15人のパレスチナ人を殺害した事件についても同様に刑事調査を行うと表明した。その際、遺体は浅い穴に埋められ、停止した車両のそばに置かれていた。