米国大統領ドナルド・トランプは、イラン国旗を掲げる貨物船「トゥスカ」を押収したと発表した。これは、米海軍の警告に応じなかったため、BBCやCNBCなど複数の報道機関が伝えている。この出来事は、イランの海上活動を制限することを目的とした米国の海軍封鎖の一環として発生した。

トゥスカの押収とトランプの発言

トランプは、自身のSNS「トゥース・ソーシャル」で、この約900フィート(約274メートル)の船は米海軍の封鎖を回避しようとしたが、海軍によって押収されたと述べた。BBCによると、トランプは「船は完全に米国の管理下にあり、船内に何が入っているかを確認している!」と投稿した。CNBCによると、この船は「過去の違法行為の歴史」があるため、米国財務省の制裁対象となっている。

米中央司令部は、海軍艦艇がトゥスカを押収し、貨物船の方向に銃を発射した様子の動画を公開した。X(旧ツイッター)上での中央司令部の投稿によると、スプロンス級駆逐艦は、船員に避難を指示したにもかかわらず、6時間にわたる繰り返しの警告に応じなかったため、5インチのMK砲から数発をトゥスカのエンジンルームに向けて発射したとされている。

海軍封鎖の拡大と外交的緊張

CNBCによると、米国は先週からイランの港湾出入りを制限する海軍封鎖を実施しており、これはイランがホルムズ海峡を通る商業船への攻撃をした後に実施された。この封鎖は緊張を高めている。BBCによると、イランは米国とバイデン副大統領、JD・ヴァンスが主導する和平交渉の第2ラウンドを拒否し、封鎖を停戦合意の違反と主張している。

トランプは、イランが米国の条件に合意しない場合、イランのすべての発電所や橋を「破壊する」と警告した。CNBCによると、この紛争は2月28日に米国とイスラエルがイラン全域に攻撃を仕掛け、その後数週間にわたる中東各地の攻撃が続き、2週間の停戦が宣言された。

米国の広範な海上作戦

別件として、ABC7ロサンゼルスによると、米国軍はカリアブ海で制裁対象の原油タンカー「オリナ」を押収した。この船は、ジェラルド・R・フォード号航空母艦から出動した海兵隊と海軍の兵士によって押収され、トランプ政権がベネズエラ原油の流通を制限するための取り組みの一環として行われた。米政府の記録によると、オリナはパナマ国旗を掲げているが、偽旗として登録されていないため、有効な登録ではない。

米南部司令部は「犯罪者には安全な避難地は存在しない」と発表し、米国のヘリコプターが船に着陸し、人員が検索を実施する様子の非機密動画を公開した。国土安全保障省長官のクリスティ・ノーム氏は、この船を「幽霊船」として、制裁対象の原油を運搬していると疑っている。

オリナは、ベネズエラ大統領ニコラス・マドゥロを驚きの夜間突撃によって罷免した米国の行動に続く、この広範な取り組みの中で5隻目となる押収船である。この船は、かつて「ミネルバM」として名乗っていた際、ロシア原油の輸送をしていたため、制裁対象となっていた。

米軍のオマーン湾とカリアブ海での行動は、イランやベネズエラに関連する違法行為に関与する船舶を押収・検挙する拡大戦略を反映している。これらの作戦は、地域の緊張がさらに高まることへの懸念を引き起こしている。