米連邦最高裁は25日、トランプ大統領による郵送投票の制限に関する大統領令を認める決定をした。これにより、トランプ大統領は郵送投票の導入を進めることが可能になった。最高裁は6対3の賛否で決定し、3人の自由主義派裁判官は反対した。
郵送投票は依然として論争の的
郵送投票は長年、トランプ大統領の攻撃対象となっており、彼は郵送投票が不正行為を生み出すと主張している。しかし、その主張には強い証拠が存在せず、トランプ自身も郵送投票を利用している。米郵便公社(USPS)は先週、大統領令の実施方法を示したが、一部の州では数週間以内に郵送投票用の選挙用紙を送り出す予定で、大規模な変更を実施する時間は限られている。
米司法省は緊急上訴を提出し、中間選挙前に変更の実施を進めるよう最高裁に求めた。トランプ大統領の3月に発令された大統領令は、資格のある投票者名簿を作成するよう行政機関に指示し、USPSにその名簿に載っている人だけに郵送投票用紙を送るよう命じている。
法的争いは続く
23州とコロンビア特別区の民主党系当局者は、この大統領令を阻止するため訴訟を提起した。彼らは、米国憲法は州と国会に選挙の実施権限があると主張し、トランプの変更は混乱と党派的な悪用につながるとした。「このような劇的な変更を今秋の選挙に即座に実施することの結果は極めて深刻である」と、州側の弁護士たちは述べている。
マサチューセッツ州の裁判官は、中間選挙での郵送投票計画を一時的に停止する命令を出した。控訴審ではその決定が維持された。その後、裁判官は全米規模での停止命令を出した。トランプ政権は7月下旬、州が訴訟を早急に提起したことを理由に連邦最高裁に上訴した。
また、ワシントン州の裁判官はトランプの命令を認める決定を下した。控訴審ではその決定が維持され、変更が実施されれば今後も裁判が行われる余地は残されている。連邦政府の弁護士たちは、マサチューセッツ州の命令は「政府が大統領の提案した政策を最終的に決定し、実施する能力を妨げる」と主張した。
投票法への広範な影響
共和党優勢の州12州は、連邦政府を支持し、最高裁に上訴した。これらの州は最終的な投票者名簿について州側の意見を反映させることを求めた。最高裁はこれまで、トランプ支持の主張に反対する決定を下している。6月には、選挙日以降に届いた郵送投票用紙を州がカウントできると判断した。
トランプ大統領は米国選挙における広範な不正行為の虚偽主張を繰り返しており、2020年の民主党のジョー・バイデン氏への敗北もその一環である。また、共和党が支配する議会に、郵送投票を制限する内容を含む「SAVE America Act」の法案通過を求めて圧力をかけている。さらに、投票に市民権の証明が必要とする法案の通過も繰り返し求めている。
非市民による投票はまれであり、犯罪行為として処罰対象となる。郵送投票は両党の支持者間で人気が高まっており、2024年の大統領選挙では約30%の投票用紙が郵送で投函された。連邦政府のデータによると、この方法は安全である。2025年のブルッキングス研究所の調査では、1000万通の郵送投票用紙に対して不正行為は4件程度にとどまっている。
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