緩やかな条件

新たな覚書(MoU)では「イランは核兵器の保有や開発をしない」と表明しているが、これを実施するための具体的な手段については言及されていない。これは、2015年のJCPOAと同様の表現である。JCPOAでは「イランはいかなる状況においても核兵器の開発や保有をしない」と表明していた。

MoUでは、濃縮に関する問題を話し合い、蓄積された濃縮ウランの処分を相互に合意したメカニズムで解決するという約束も含まれている。これらの議論は、今後さらに詳細が交渉される可能性を示唆している。

これに対し、JCPOAは国際原子力機関(IAEA)がイランの核開発計画にアクセスし、合意の遵守を確認することができた。IAEAは、トランプ大統領が2018年に米国が合意から離脱するまで、イランが合意に従っていたことを確認していた。トランプ氏はJCPOAを「腐敗し、劣化している」と批判した。合意の崩壊後、イランは核開発計画を大幅に拡大した。

イランの現在の核保有量

2026年2月28日現在、米国当局によると、イランは60%濃縮ウラン440kgを保有している。この濃縮度は核弾頭には不十分だが、兵器級の90%濃縮ウランに迅速に濃縮できる。

新たな合意では、この物質のどの程度が破壊されたり、イランから除去されたりするかは明記されていない。しかし、トランプ氏の最近の発言から、残りの核物質が国外へ運び出される可能性が示唆されている。

米国当局は、新たな合意が「最低限の基準」を設定していると説明しており、これはイランの現在の核能力がもたらすリスクを完全に解決するものではない可能性を示唆している。しかし、合意は濃縮に関する問題を話し合い、蓄積された物質の処分方法を定めるメカニズムを開発するという約束を含んでいる。これにより、合意の条件を明確にするためのさらなる交渉が行われる可能性がある。

兵器、資金、船の合意内容

新たなMoUは核物質の処分を含む幅広い問題を扱うが、制裁の解除や財務条件など、イランとの合意の他の側面については言及されていない。2015年のJCPOAは、核開発計画への制限を引き換えに、イランに経済制裁の解除という大きな財務インセンティブを提供していた。新たな合意は、イランの核開発計画の技術的な側面に焦点を当てており、広範な経済的または政治的な条件には焦点を置いていない。

新たな合意が進展する中、実際の実施が焦点となるだろう。イランから核物質の除去と、濃縮に関する問題の解決が今後の交渉の鍵となる。新たな合意の成功は、両当事者がこれらの問題について相互に受け入れ可能な解決策に到達できるかどうかにかかっている。