カナダの与党連立政府は21日、補欠選挙で3選挙区をすべて制し、マーカー・カーニー首相の支持が強まっている。カーニー首相は、貿易問題での対応が支持されたと語った。

ケベック州での勝利が象徴的

最も象徴的な勝利はケベック州で、連立政府候補のダニエル・ゴベイル氏が、2018年以来保守党政権だったチコティミー=レ=フィヨルド選挙区を獲得した。この選挙区にはアルミニウム製造や乳製品業界があり、米国との貿易戦争の影響を強く受ける。ゴベイル氏は「この勝利でカナダの統一が維持できる」と述べた。

チコティミー=レ=フィヨルドは、地域の分断が政治結果に反映される国の重要な戦場である。連立政府の勝利は、米国との貿易問題で経済の安定への懸念が高まる中、象徴的な国家統合の強化と見られている。

米国との貿易緊張が高まる

カナダと米国の貿易交渉は8月21日に決裂し、両国が合意に至らなかった。これに応じてドナルド・トランプ米大統領は、200億ドル相当のカナダ製品に50%の関税を課した。カナダは米国からの輸入品への関税計画で報復した。トランプ氏はその後、貿易紛争をエスカレートさせ、オニオン湖を「アメリカ湖」と名付け直す大統領令を発布し、カナダが米国第51州になる可能性を示唆した。

スコット・ベッセント米財務長官は最近、カナダが紛争で得ている利益を軽視し、米国の経済規模はカナダの約13倍だと述べた。一方でカーニー首相は、米国との貿易対立の影響を補うため、ヨーロッパ諸国やその他の国際的なパートナーとの経済連携を強化している。

連立政府の議席増加

補欠選挙での連立政府の勝利により、338議席の連邦議会で173議席を獲得し、全体のほぼ半数を占めることになる。ブリティッシュ・コロンビア州では、カーニー首相の元副官のブラーデン・キャリー氏がノース・バンクーバー=カピラノ選挙区を獲得し、連立政府は他の2選挙区も維持した。

連立政府のヘディ・フライ議員はカナダ放送協会(CBC)に対し、「米国は今夜、メッセージを受け取る。私たちのリーダーはカナダ国民の支持を得ている」と強調した。カーニー首相は貿易紛争の管理と国内・国際的な他の重要な課題に対処する中で、この結果によって政治的有利を獲得する見込みである。