フィリピン沿岸警備隊は、10日、火災に遭ったフェリー「MV・ジューン・アスター」の事故で、死亡者が35人に増えたと明らかにした。事故は同日、マニラを出発し観光地コロンへ向かっていた際に発生した。事故当時、船上には130人以上が乗船していた。

救助・収容作業続く

43人が救助され、多くの人が病院で治療を受けている。50人以上が行方不明のままである。沿岸警備隊のスポークスパーソン、ノエミー・カヤバイヤ大佐は、これまでに回収された遺体の多くが、22時間の航海中に使われた寝泊まりのエリアで見つかったと述べた。

カヤバイヤ大佐は記者会見で、「この悲劇の影響を受けた家族の悲しみを理解しています」と述べ、遺体の回収と身元確認を適切に行うため、関係機関が協調して取り組んでいると強調した。

原因の可能性と安全対策の懸念

生存者への初期インタビューでは、火災が荷物室から始まった可能性が示唆されている。一部の乗客が救命胴衣を着用していなかったことから、船上の安全対策が問われている。BBCに対して語った救助された生存者は、火災発生時に船上でパニックが広がり、逃げ出す際に踏まれたと話した。

2002年に建造されたこのフェリーは、安全証明書を持ち、3月に検査を通過していた。しかし、調査機関は、荷物の積み込み状況や船長の緊急対応プロトコルなどについても調査を進めている。船上には117人の乗客と17人の乗務員がいた。

運行会社が協力表明

フェリー「MV・ジューン・アスター」の運行会社、アティエンサ・インターランド・フェリー社は、事故の調査への全面協力を表明した。会社は声明で、「被害者家族のことを心に留めています。全員の行方を確認するまで休まることはありません」と述べた。

フィリピンの海運当局は、火災の原因や状況を調査しており、国内の海上安全と緊急対応プロトコルについての懸念が高まっている。