ユタ州議会は、副知事が選挙管理を担当する現行制度を改めるための憲法改正案を進める。これは、選挙不正の虚偽主張や、一部の共和党議員による選挙制度再編の動きに対する懸念が背景にある。

制度改革の議会での推進

この提案は、プロボのリサ・シーフィールド下院議員(共和党)が提出したもので、憲法改正により独立した選挙管理官の職を設置することを求める。これにより、選挙管理の責任は副知事から新しい職員に移る。シーフィールド氏は、この措置は「選挙に対する内在的な不信感」を解消するための必要手段だと述べた。

シーフィールド氏は、この法案は現在の職員や政党、政治的立場ではなく、制度そのものに関することだと強調した。議会の政府運営委員会での審議で、彼女は「これは構造の問題であり、人物や政党、政治的立場、個人とは関係ない」と語った。

シーフィールド氏が提出した決議案HJR25と、それに伴う法案HB529は、委員会でほぼ全会一致で支持された。ただし、1人の民主党議員が反対票を投じた。議会会期はあと1週間半ほど残されているが、この提案が両院を通るかどうかは不透明である。

現行制度と対立

現在、ユタ州では副知事が選挙管理を担当している。これは1976年に、56%の有権者が憲法修正を承認し、選挙管理官の職を廃止し、副知事の職を設けたことによるものである。今回の提案は、この決定を覆すものである。

トレモントンのスコット・サンドール上院議員(共和党)は、提案された選挙管理官の職は余分だと主張した。「もし修正すれば、その職の存在意義は疑問に思われる。余分なスタッフや、それに伴う費用は必要ないだろう」と語った。

一方、副知事のデイドリ・ヘンダーソン氏は、自身の党の一部から選挙不正の虚偽主張を否定するよう求められているが、そのような主張から距離を置くようにしている。2024年には、知事選挙に関与しないよう、利益相反を避けるための計画を策定した。

ヘンダーソン氏は、共和党議員主導の立法機関による選挙の信頼性への疑問を広める試みにも反対している。2024年には、トランプ政権にユタ州の選挙登録データを提供するよう求められたが、法的根拠が欠如しているとして拒否した。

政治的・歴史的背景

今回の改革の動きは、2020年の大統領選挙以降、一部の共和党議員がユタ州の選挙制度を再編するよう求めた動きの続編である。当時、ドナルド・トランプ大統領が選挙結果に関する虚偽の主張を広めたことが、これらの動きを後押しした。

ユタ州議長のマイク・シュルツ氏(共和党)は、50州の2020年選挙結果の審査を求める署名運動に参加した。2023年には、州議会による選挙システムの2年ごとの審査を義務付ける法律が成立し、2024年の審査では「重大な不正」は見つからなかった。ただし、2人の死亡者による投票や、3人の重複投票など、いくつかの不正が確認された。

オーゲンのリーブン・ウィルコックス下院議員(共和党)は、2024年の知事選挙の際、独立した選挙管理機関の設置を求める法案を提出したが、スペンサー・コックス知事の事務所からの反対により、最終的には廃案となった。

もしシーフィールド氏の提案が成立すれば、11月の選挙で2つの他の憲法改正案とともに提示される。1つは、市民が税金の増加を求める場合、60%の支持が必要とするもので、もう1つは、選挙2か月前には憲法改正案を新聞に掲載する必要がないようにするものである。

この提案は、2020年の選挙結果に対する全米の反応の一環であり、選挙管理の信頼性を高め、政治的緊張を和らげるため、一部の州が制度の見直しを検討している流れに合致する。