イタリアのジョルジャ・メローニ首相は、G7サミットでドナルド・トランプ米大統領に「写真を撮るよう懇願した」との発言について「嘘だ」と否定し、トランプの行動に驚きを示した。BBCが報じた。

トランプの発言で緊張

トランプ氏はイタリアのラ7テレビとの電話インタビューで、メローニ首相が「写真を撮るよう懇願した」と述べ、自分は「彼女のことをかわいそうに思った」と話した。これに対し、メローニ首相はインスタグラムの700万人のフォロワーに向けて「完全に信じられない」と反応した。

メローニ氏はトランプ氏の行動について「正直に驚いた」と述べ、なぜ米大統領が同盟国に対してこのような態度をとるのか疑問を示した。「私はなぜ米大統領が同盟国に対してこのような態度をとるのか分からない。これは初めてではない」と述べた。

イタリア政府の対応

イタリアのアントニオ・タジャーニ外相は、トランプ氏の発言に続き、来週予定されていた米国への訪問をキャンセルした。メローニ首相は「私自身もイタリアも決して懇願などしない」と強調し、トランプ氏の発言に対する強い不快感を示した。

メローニ氏のショックは、G7での出来事に加えて、イタリアと米国との政治関係が徐々に弱まっていることを示している。2022年に選出されたメローニ氏は、2025年1月にトランプ氏の就任式に唯一の欧州首脳として出席し、EUの同僚たちからは米国との橋渡し役として期待されていた。

しかし、メローニ氏は米国とイランの戦争に反対する姿勢を明確にしており、4月にはトランプ氏がイタリア紙コリエレ・デラ・セーラとの電話インタビューで「彼女に勇気があると思っていただけたが、間違っていた」と発言した。

広範な政治的反応

トランプ氏の最新の発言に対し、イタリアのセルジオ・マタレラ大統領は直ちにメローニ首相に電話で支持を表明した。イタリア国内からは政治的スペクトル全体にわたる支持の声が上がった。

反対派の民主党所属で左派の参議院議員フィリッポ・センシ氏は、「誰もイタリアの首相に対してこのような高慢な態度を取る権利はない」と述べた。ファイブ・スター運動の指導者ジュゼッペ・コンテ氏は、「イタリアはこのような屈辱を受けるべきではない。ワシントンからの恩恵を求めることが、国家の尊厳や利益を犠牲にすべきではない」と述べた。

メローニ氏自身の政党「イタリアの兄弟」からは、参議院グループリーダーのルッチオ・マラン氏が、トランプ氏の発言はヨーロッパの指導者に対する攻撃的な発言の一部であり、トランプ氏自身のイメージと権威に深刻なダメージを与えるものだと指摘した。

マラン氏は、G7の動画ではトランプ氏が述べた内容とは異なる状況が見られると指摘。トランプ氏が本当に不快に思ったのは、必要に応じてワシントンにノーと言ったメローニ氏の姿勢だった可能性があると述べた。

政権与党の連立政党「連合イタリア」所属のマテオ・サルビーニ氏は、「誰がジョルジャ氏を攻撃しても、それは私たち全員への攻撃だ」と述べた。