エルサルバドールの検察総長事務所によると、MS-13ギャングの容疑者486人を対象とした大規模裁判が始まった。同グループは2012年から2022年にかけて、殺人や強盗、薬物取引、武器密輸などの罪で4万7000件以上を犯したとされている。
2022年のギャング暴力に関与した容疑者も含まれる
裁判にかけられているのは、2022年3月に起きた一連のギャング暴力事件に関与した人物も含まれる。この事件では、週末の1週間に87人が死亡した。検察総長事務所によると、この事件を受けてナイブ・ブケレ大統領は「ギャング対策戦争」を宣言した。
検察総長事務所は、起訴の根拠となる「決定的な証拠」があると述べ、有罪判決が下された場合、最大の刑罰が科せられるとした。裁判の期間は明示されていないが、413人の容疑者はすでに逮捕されている。残る73人の容疑者については、不在中訴追のための逮捕令状が発付されている。
2022年3月から続く緊急事態
2022年3月から続く緊急事態は、ギャングとの関係を疑われる人物の逮捕権限を拡大し、一部の憲法上の権利を停止する措置を含む。この措置により、数十万の容疑者が逮捕されたが、人権団体は、これは恣意的な逮捕につながっていると批判している。
ブケレ大統領の強硬な治安対策を支持する人々は、エルサルバドールがより安全な国になったと主張している。一方、国連の専門家は、政府が「公共の安全の名のもとに、正当な裁判の権利を踏みにじることはできない」と警告している。
国連の専門家はまた、大規模裁判の使用についても批判し、「被拘留者の弁護の権利や無罪推定の原則を損なっている」と述べた。
MS-13の歴史と影響
MS-13は、米国が昨年テロ組織に指定した国際的なギャングである。1980年代、エルサルバドールの内戦から逃れて来た移民によってロサンゼルスで設立された。しかし、現在では中央アメリカでより顕著な存在となっている。
検察総長事務所は、MS-13は長年、エルサルバドールの家族に恐怖と悲しみをもたらすように系統的に活動してきたと述べた。486人の容疑者に対する起訴内容には、女性殺害、行方不明者、そして「地域の支配を維持し、代替の国家を築こうとした反乱」が含まれる。
同事務所は、これらの犯罪がエルサルバドール人の生活に大きな影響を与え、経済的・社会的な発展を制限していると強調した。また、今回の裁判は、これらの行為に責任を問うことを目的としている。
MS-13の活動は、エルサルバドール政府にとって重大な懸念事項となっており、ギャングの影響力を打ち消すための法的・治安対策が次々と講じられてきた。今回の裁判は、これまでに取られた最大規模の法的措置の一つである。
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