ドナルド・トランプ米大統領は14日、ソーシャルメディアを通じて、ポーランドへの米軍5000人増派を発表した。この決定は、米国が以前に中止したポーランドへの部隊派遣計画の見直しを示しており、トランプ政権のNATOへのコミットメントや欧州における軍事プレゼンスの不確実性を再燃させている。

戦略の転換

トランプ氏は、ポーランドのカロル・ナウォロツキ大統領との関係を増派の理由に挙げ、自身が「ナウォロツキ大統領を支持することに誇りを感じる」と述べた。ナウォロツキ氏もこの発表を歓迎し、「良好な同盟関係は『協力、相互尊重、共有された安全保障へのコミットメント』に基づく」と強調した。

ポーランドのラデク・シコルスキ外相も支持を表明し、米軍のポーランド駐留規模が「以前の水準とほぼ同等に維持される」ことを強調した。しかし、この決定は、米国が「アメリカ・ファースト」政策の下で欧州の軍事支援を削減する計画を急に転換したことを示している。

同盟国の混乱

国防総省は、4000人の増派計画を中止していたが、トランプ氏は今月早々、ドイツからの5000人撤退を発表していた。さらに、トランプ氏は「5000人以上を削減する可能性がある」と示唆している。

ポーランド政府は、ワルシャワが米軍の駐留を支えるために多額の費用を支払っていることを指摘している。米軍の撤退計画の示唆は、ウクライナ戦争が継続する中で、ポーランドおよび欧州全体の安全保障への懸念を高めている。

欧州諸国は米国が後退した分を補うため、防衛能力の代替を模索しているが、米国の政策が不連続であるため、優先事項の選定が難しい状況だ。スウェーデンのマリア・マルマー・ステネルガード外相は、今週末にスウェーデンで開かれるNATO外相会議に向け、「状況は非常に混乱しており、対応が難しい」と述べた。

トランプ氏のNATOへの課題

トランプ氏は、NATO加盟国が米国・イスラエルのイラン戦争を支援していないことに対して批判しており、米国が軍事同盟から撤退する可能性を示唆している。国務省のトミー・ピゴット報道官は、マーコ・ルビオ国務長官がNATO会議で同盟国に防衛費の増額を求める演説を行うと述べた。

NATO事務総長のマーク・ルッテ氏は、ポーランドへの増派を歓迎したが、欧州が米国への依存を減らすべきだと提言した。ルビオ氏は、トランプ氏のNATO加盟国に対する不満を解消する困難さを認めたが、会議での解決は見込めないと述べた。

ルビオ氏がNATOの対応者と会談する一方、国防総省の関係者はブリュッセルで同盟国に対し、米国の欧州防衛へのコミットメントを説明する予定だ。また、米国は今週火曜日、欧州における戦闘旅団の数を4から3に削減する計画を発表した。

多くの欧州指導者は、トランプ政権のイラン戦争への対応に不満を抱えている。これは欧州の経済にも影響を与え、米国の信頼性に対する疑念を高めている。また、デンマークのNATO加盟国であるグリーンランドの併合を示唆するトランプ氏の発言についても懸念が継続している。

新たなポーランドへの増派が、以前に予定されていた部隊と同じものであるか、あるいはドイツからの再配置であるかは不明である。